電子図書館が学びを変える 図書館総合展に3万人超

海外の教育動向について語る経済産業省の柴田寛文室長補佐=10月31日、横浜市、小松亜由子撮影

「第20回図書館総合展」が10月30日~11月1日、横浜市のパシフィコ横浜で開かれた。主催は図書館総合展運営委員会。司書教諭や図書館関係者ら約3万人以上が来場し、ICT化が進む図書館の最新状況や新たな学びの実現に向けた図書館の役割をテーマにパネルディスカッションや発表があった。

2日目の10月31日は、「広がる電子図書館LibrariE(ライブラリエ)の最新活用法」と題し、高校や大学の事例報告があった。ライブラリエは4万冊以上の書籍を搭載し、図書室へ直接出向かなくても、タブレット端末や自宅のパソコンから閲覧できるシステムのこと。生徒の作品や学校独自の資料も搭載できる。

今年5月に運用を開始した通信制高校のクラーク記念国際高校は、ライブラリエ導入をきっかけに図書利用が爆発的に伸びた。担当者によると、参考書や問題集、進路希望に応じた専門書が読まれるようになった。現在は、ライブラリエの本を紹介する「ブックトーク甲子園」の開催や、「デザインコンテスト」の作品搭載など、教科と連携した活用を進めていて、課題である生徒の基礎学力定着や進路に応じた個別指導につながりつつある。「新たな学校図書館の姿を示していきたい」と担当者は意気込んでいる。

10月31日は「学びのインフラとしてのFab(ファブ)とIoT」と題したパネルディスカッションが開かれた。「ファブ」とは「新しい情報環境におけるものづくり」を意味し、3Dプリンターやレーザーカッターといったデジタル工作機器などの設備を要する。

パネリストの経産省商務・サービスグループの柴田寛文教育産業室長補佐は海外の学校教育に触れ、「プロジェクトを通じた教科横断的な知識理解と活用が進んでいる」と述べた上で、「個人の関心に応じた探究学習では、自分の思いやアイデアを形にしていくファブ・ラーニングが大きな意味を持つ。個人の知を深める図書館にも、それに応じた設備が求められる」と語った。