文化部ガイドライン素案 多様性踏まえ独自の記述

文化部ガイドラインの素案

11月1日に示された文化庁の「文化部ガイドライン」の素案は、スポーツ庁の「運動部ガイドライン」に準じて、活動時間は週当たり平日1日、土日1日の2日以上の休養日を設け、活動時間は長くても平日2時間程度、3時間程度とすることを示す一方、独自の記述も見られた。部によって運動部以上に多様な活動がある中で、ガイドラインを守ると同時に、文化部の活性化も課題だ。

ガイドラインは国公私立全ての中学校における科学、ボランティアなど運動部以外の全ての部活動を対象とし、高校にも原則適用する。

素案は冒頭で、運動部活動ガイドラインを踏まえた策定の経緯や部活動の意義を示した。その上で、文化部の特色と課題に▽分野や活動目的、生徒のニーズ、指導者や顧問の関わり方が極めて多様であり、選択肢がないなどの消極的な理由で入部する生徒もいる▽スポーツ医・科学の観点に基づき活動時間が設定された運動部に対し、文化部にはそうした観点がないが、長時間の活動は精神的・体力的な負担や生活習慣の確立、学校の教育課程への影響などがある▽自ら表現するだけでなく、美術館、劇場、文化財などを活用し、鑑賞などの幅広い活動機会を取り入れる――ことなどを挙げた。

運動部と同様、都道府県、市区町村教育委員会、私立学校の設置者はガイドラインを踏まえ、具体的な方針を策定する。校長はそれに従い、毎年度の活動方針を作成するとともに、ホームページなどに公表する。この他にも、校長が指導内容の充実や生徒の安全確保、教員の長時間勤務の解消などの観点から、文化部の数の適正化を図ることや顧問の業務負担の軽減、参加大会の精査を求めた。

顧問や部活動指導員は、生徒の健康管理や事故防止、体罰・ハラスメントの根絶を徹底し、適切に休養を取りながら、短時間で効果が得られる指導をする必要があるとされた。学期中の休養日だけでなく、長期休業中には部活動以外に生徒が多様な活動に取り組めるよう、長期の休養期間を設ける。

生徒の多様なニーズがあることを踏まえ、技能向上だけでなく、友達と楽しんだり、適度な頻度で活動したりできるような文化部を設置することや、少子化で特定の分野の文化部を設けることができない場合には、複数校の生徒が拠点校の活動に参加する合同部活動の推進も求められた。

文化部は年間を通じてさまざまな大会やコンクール、コンテストなどがあることから、主催者側に対して日程の変更や大会の統廃合を含めた精査を要請した。

素案は、今後の文化部の目指すべき方向性も示した。少子化や核家族化が進む中で学校外のさまざまな活動に参加することは、幅広い視野に立って自らのキャリア形成を考えたり、地域社会と関わることで郷土愛の醸成や文化・伝統の担い手になったりするとし、文化部活動は生涯にわたって芸術文化に親しむ基礎を形成する意義があるとうたった。

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