貧困対策は未来への投資 都内で生保会社がセミナー

「貧困対策には学習支援が必要」と訴えるNPO法人キッズドアの渡辺由美子理事長(右)=11月2日、東京都千代田区、小松亜由子撮影

子供の貧困対策の在り方を考えるセミナーが11月2日、東京都千代田区で開かれた。主催はエヌエヌ生命保険。内閣府の担当者や大学教授、NPO法人の理事長がパネルディスカッションに参加し、子供たちの未来づくりについて意見を交わした。

元内閣府参与の湯浅誠・法政大学教授は「『貧困』という言葉が強過ぎるため、極めて深刻な家庭状況をイメージさせてしまう」と指摘。「日本の子供の7人に1人は貧困状態にあり、深刻なレッドと、比較的軽度なイエローに分けられる。イエローでは地域や学校が気付かず、また保護者や本人も認めない事例が少なくない。結果としてレッドに陥ってしまう」と述べた。

内閣府で子供の貧困対策などを担当する井関大洋参事官補佐は「子供の貧困の放置は社会の損失であり、対策は未来への投資になる」と問題を提起した。国による「地域子供の未来応援交付金」の概要を説明し、「自治体の体制が整っておらず、活用が進まない地域も見られるが、貧困にある子供を育むのは地域の力だ」と強調した。

NPO法人キッズドアの渡辺由美子理事長は「親の収入が少ないために十分な教育が受けられないと、子供世代も貧困になる。この『貧困の連鎖』を断ち切るには、無償教育支援を行う必要がある」と述べ、「学校や地域、企業、NPOなどが連携し、全ての子供が希望を持てる社会を築いていければいい」とまとめた。