防災で子供を守り育てる 教育長が経験分かち合う

「被災しても72時間生き延びられるよう備えを」と強調する小峯力教授=11月6日、東京都港区、小松亜由子撮影

第15回「B&G全国教育長会議」が11月6~7日、都内で開かれた。主催はB&G財団。45道府県から109人の市町村教育長が参加し、「災害への備えと被災後のケア」をテーマに防災教育の在り方や、学校・地域・家庭で実践できる方策を話し合った。

6日は、小峯力・中央大学教授が「救急救命から生命教育を考える」と題して基調講演した。冒頭で「日本のテレビ放送では、災害で人が亡くなっていく過程は報じられず、災害への備えを進める中で、命の危険というリアリティーを持つことは難しい」と強調。命の大切さを伝えることを前提として防災教育を進める必要があると述べた上で、各地で実際に起きた災害事例を詳細に説明しながら「災害に応じて、地域ならではの指導を推進してほしい」と訴えた。

東京都荒川区立南千住第二中学校の齋藤進校長は、同校で自身が立ち上げた「レスキュー部」を取り上げ、地域と連携した「絆ネットワーク」の展開や活動の拡大、部員数の爆発的な増加を説明した。さらにレスキュー部に入るために学区外から入学を希望する生徒が少なくないことに触れ、「子供の幸せとは、愛され、褒められ、人の役に立ち、必要とされること。レスキュー部が地域社会に貢献する活動は、これをかなえることができる」と述べた。

南千住第二中学校・齋藤進校長が先進事例を発表=同

7日は、教育長が各自治体における取り組みを発表した。岩手県陸前高田市の金賢治教育長は、東日本大震災による甚大な被害を引き合いに出し「多くの孤児たちの姿を見て、親など大人には『災害から子供を守る』という視点だけではなく、『自身も必死に逃げ、子供のその後の人生を守る』という、もう一つの視点が重要だと気付いた」と打ち明けた。「子供たちがいずれ大人になり、親になっても必ず思い出せるよう、『油断せず、まず逃げる』『戻らない、様子を見に行かない』などシンプルな教えを、刷り込みのように伝えている」と続けた。