eポートフォリオに関心 18フォーラム2日目に討論

eポートフォリオについて議論したパネルディスカッション=11月15日、東京都千代田区、小松亜由子撮影

e-Learning Initiative Japanなどが主催する「eラーニングアワード2018フォーラム」は2日目の11月15日、「eポートフォリオで高大接続改革はどう変わるか?どう変えるか?」と題したパネルディスカッションが都内で開かれ、大きな注目を集めた。

パネリストの清教学園中・高等学校特任教諭田邊則彦氏は、文科省の委託で高大接続の調査研究を手掛ける同校でeポートフォリオの活用を推進している。新学習指導要領で示された評価の観点である「主体的に学習に取り組む態度」について「主体性は目に見えず、測る物差しもない」と初めに問題提起した。

その上で「学校現場でできることは、従来の教え方から脱却して主体的な学びの場を設け、主体性の見える化を図ることだ。そのためには、グループでの話し合いや地域での活動を楽しめる雰囲気を教員が意識して作り出すことが重要になる」と語った。

パネルディスカッションに参加した教員から出た「eポートフォリオが授業内容の備忘録になってしまっている」との質問に対し、「小学校では授業の始めに目当てを示し、終わりには身に付いたことや課題を振り返らせている。それが中学・高校ではおろそかになり、振り返りが定着していない。小学校での指導を、中学・高校でブラッシュアップしてeポートフォリオに生かしていくことが求められる」と応じた。

東京学芸大学情報処理センターの森本康彦教授は「教員には、児童生徒の進学や就職を導く使命がある。大学や企業がどう受け取るかを意識するあまり、eポートフォリオが適切に活用されないことも危惧される」と述べた。

関西国際大学の得永義則・大学改革本部部長は「eポートフォリオとAIを連動させ、将来を見据えた学びに生かす研究が進んでいる。いずれは就職活動でエントリーシートが不要になり、企業は小学校からのeポートフォリオを見れば済むようになる」と語り、「校種などの垣根を越えたビッグデータの仕組みが構築できれば、小学校から大学まで一貫して1人の人間を育て上げることが可能になり、日本の教育が根本から変わっていく」と議論を締めくくった。