児相間の引き継ぎが不十分 目黒虐待死で香川県が報告

東京都目黒区で当時5歳の女児が両親に虐待され死亡した事件で、区へ転居する前に女児と両親が暮らしていた香川県の検証委員会が11月15日、報告書を公表した。転居に際し、香川県の児相から東京都の児相への引き継ぎが不十分だったと指摘した。

報告書によると、香川県の児相は2回目の一時保護の解除後に、医療機関から女児に皮下出血やあざがあるとの情報提供を受けていた。これらは養父からの虐待が疑われたが、児童福祉司の指導は女児と実母の状況確認や実母に対するものが中心で、養父への直接指導は十分ではなかった。

転居の際の引き継ぎでは、香川県の児相から東京都の児相に対して、在宅生活の継続的な見守りが必要なケースであることが伝えられたものの、記録には明記されなかったため、児相間で認識にずれが生じた。引き継ぎの書類にはリスクアセスメントシートが作成されておらず、医療機関が写したけがの写真も送られていなかった。

報告書はこのケースを教訓に▽援助が引き続き必要な家族が転居した場合、速やかに児相間で事前協議と情報の引き継ぎをする▽緊急性や重症度が客観的かつ簡潔に伝わる引き継ぎを徹底する▽緊急性や重症度が高いケースでは、原則として対面による引き継ぎを実施し、必要に応じて転居先の児相との同行訪問をする――などの改善策を提示した。