運動の価値、科学的分析を 学術会議に審議を依頼

審議を山極会長に依頼する鈴木長官(右)=11月15日午後3時すぎ、日本学術会議、藤井孝良撮影

スポーツ庁は11月15日、科学的エビデンスに基づく「スポーツの価値」の普及の在り方について、審議を日本学術会議に依頼した。スポーツが学習や認知にもたらす影響や部活動における指導者のパワーハラスメントや過度な練習が起こるメカニズムを科学的に分析・整理し、2020年の東京五輪・パラリンピック後の日本のスポーツ政策に生かす狙いがある。

スポーツ庁によると、日常生活の中で自然にスポーツに親しむことが個人の心身の健康や体力の増進、学習・認知能力、対人関係力の伸長にどのように貢献し、医療費の抑制や経済効果などの社会的な便益をもたらすかについて、最新の科学的知見を整理。パワハラや暴力行為、過度な練習、過酷な環境下における活動の是正に向け、スポーツ界の伝統・慣習や独特の組織文化、精神文化がどう作用しているかなどを検討する。

さらにeスポーツなどの新たなスポーツも対象とし、スポーツの再定義を含めた検討を進める。

日本学術会議は20年までに審議結果をまとめる。スポーツ庁はその内容を次期スポーツ振興計画などに反映させ、エビデンスに基づいたスポーツ政策を推進したい考えだ。

鈴木大地スポーツ庁長官から審議依頼を受けた日本学術会議の山極壽一会長は「科学技術が体力の増強などに大きな役割を果たす一方で、過剰な訓練やパワハラが問題になるなどミスマッチも生じている。東京五輪・パラリンピック大会をきっかけにした正しいスポーツの発展の在り方について、学術の立場から政策に反映できるような基準を提案したい」と応えた。

鈴木長官は会見で「スポーツ政策を考える上で、スポーツ界と学術界の関係の在り方も含めて考える機会にしたい。学術界と連携して科学的エビデンスに基づいたスポーツ政策を進めていきたい」と述べた。

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