いじめ防止法改正に意見書 大津事件の遺族が議連に

越大津市長から要望書を受け取る馳議員(右)=11月19日午前10時すぎ、衆議院第一議員会館、藤井孝良撮影

2011年に大津市の当時中学2年生の男子生徒がいじめを苦に自殺した「大津いじめ中2自殺事件」の遺族と越直美大津市長は11月19日、いじめ防止対策推進法の改正に対する意見書を馳浩衆院議員(自民党)に提出した。越市長らは同日に開かれた同法改正案を検討している超党派の議員連盟の勉強会にも出席した。

馳議員は自民党教育再生実行本部長に就いている他、議連の座長を務めている。

意見書によると、事件を機に議員立法で成立した同法の施行後もいじめで自殺する子供が後を絶たないとして、大津市は▽基本理念でいじめを学校で最優先に対応すべき業務として位置付ける▽首長と教委による「地域いじめ対策委員会」の共同設置を可能にする▽学校への「いじめ対策主任」の設置に関する財政的措置を講じる▽いじめ対処に関する懲戒規定を新設する▽重大事態の調査での被害者側への事前説明を義務付ける▽第三者委員会では学校・教委の利害関係のない人選をする――よう求めた。

要望書を受け取った馳議員は「総務省からのいじめ防止対策推進法に関する勧告を受け、見直し協議会を開いている。いじめによる自殺、いじめ対処の学校現場の不備などが明らかになっている。論点整理をした上で、法律の見直しをしたい。学校の働き方改革もあるので、教職員の過大な負担にならないよう、外部専門家の支援なども想定した議論をしていきたい」と述べた。

同日に開かれた記者会見で遺族は「法律はできたが実効性で問題がある。全国のいじめによる自死事案を支援しているが、学校のいじめ基本方針がきちんと履行されていれば、被害者は亡くならずに済んだかもしれないケースもある。いじめは被害者の死を招きかねないという認識が学校現場にない。今の臨時国会で改正を成立してほしい」と話した。

越市長と遺族は20日、文科省にも意見書を提出する。

法改正を検討している議連の「論点整理」によれば、現時点では第3条の基本理念にいじめがどの学校、どの児童生徒にも起こり得るとする表現の追加や教職員におけるいじめ防止に関する責務の明確化、重大事態の調査での首長による被害者側への情報提供などを盛り込んでいる。今後は関係者へのヒアリングなどを実施し、議員立法による改正法案の早期国会提出を目指している。