町の第三者委が初会合 兵庫の小5女子いじめ自殺

兵庫県多可町立小学校5年の女子児童(当時10)が2017年5月に亡くなった自殺を巡り、自殺といじめとの関連を調査する町の第三者委員会が11月19日、初会合を開いた。来年3月末を目標に調査結果を報告する方針。

町教委の第三者委員会が今年6月、同級生から無視されるなどのいじめがあったとする報告書をまとめたが、遺族は「いじめの具体的行為が分かりにくい」と訴え、委員の交代と町主体による再調査を求め、町側がこれを受け入れた。

町教委によると、女子児童は17年5月1日、学校からの帰宅後に自宅で自殺を図り、翌2日に死亡した。「だれも、いじめたりしないようにしてください」などのメモを残していた。

町教委の第三者委が今年6月にまとめた報告書は、いじめの他、女子グループ内のいびつな関係によるストレスなどで自殺したと結論付けた。これに対し遺族は委員を入れ替えた上で、同級生の卒業を区切りに再調査をするよう要望した。町は8月、町主体の第三者委を設置し、自殺の背景やいじめの具体的な内容を再調査すると発表した。

町の第三者委は、弁護士や小児科医ら5人が委員を務める。11月19日の初会合に出席した遺族は、いじめの具体的な内容や、いじめ以外に自殺の原因があったかどうかを明確にしてほしいと委員に要望した。

初会合の後、委員長の吉田竜一弁護士は「遺族の気持ちに寄り添いつつ、中立公正な調査に臨み事実究明に努める」と述べ、既にまとまっているアンケート結果などの資料を検証するとともに、同級生らの再聴取を検討する考えを明らかにした。

【多可町教委の第三者委員会による調査報告書の要旨】
1、「いじめ」や女児の属する女子グループの「いびつな社会関係」による疲弊感が自殺の要因。
1、女児が属するグループは「固定化した加害層」と、女児を含む「加害者にも被害者にもなる流動的・可変的な層」があり、一緒にいるために「悪口を言ったり、仲間外れなどをしたり」する非常にストレスフルな「いびつな社会関係」があった。2016年7月ごろからグループ内で流動的・継続的な嫌がらせがされていた。
1、女児は嫌がらせに苦痛やストレスを感じ、17年4月のメモでは「だれも、いじめたりしないようにしてください」と自分へのいじめを明確に言及。作成時期は不明だが、「死にたい、でもこわいの苦しいから」というメモもあった。
1、女児が5年生になった17年4月以降、加害層の児童らが女児の行動を監視するようになり、他のグループに属することがないよう圧力をかけ、一方で女児を無視したり、悪口を言ったりすることがあった。女児は休み時間に教室で1人読書をして過ごすなど単独での行動が増え、孤立感を深めた可能性がある。
1、女児は16年6、9、11月のアンケートでいじめを受けている旨を記入して書き直していた。11月には別のクラスの数名が女児へのいじめに言及した。学校によるストレスチェックの数値も18年6月の「6」から、同年12月には「9」に上昇し、高ストレス群に入っていた。
1、校内に「いじめ対策委員会」があったが、教員の間で統一的な認識や位置付けはなく、一定の情報共有はされていたものの、担任・生活指導担当・校長が個別に対応していた。アンケートやストレスチェックは記名式で教室において実施し「見張られているよう」と感じた児童もいた上、マニュアルなどに基づく組織的な対応はなく、女児のアンケートの書き直しやストレス度が上昇したことへの対応は特になかった。

あなたへのお薦め

 
特集