産学共創の大学改革を提言 日本学術会議、25年に向け

日本学術会議は11月28日、「産学共創の視点から見た大学のあり方―2025年までに達成する知識集約型社会―」と題する提言を公表した。Society5.0において社会の課題解決や新たな価値創造を実現するための大学改革を促している。

提言は2025年の日本の社会を想定し▽大学への新たな研究資金の提供▽大学の情報資源の活用▽大学が育てる人材の活躍▽大学の研究分野の総合性――の点から改革の方向を示した。

産学連携では企業のニーズと大学の研究が有機的に結びついていないと指摘した。その上で、大学をベンチャー企業の拠点とし、事業の拡大につれて産業界が主体となっていくビジネス創業モデルの必要性をうたった。

特に若い世代の人材育成については▽教育や就業の流動性を高め、多様な経験を積みやすくする▽海外での活動や交流を経験することで国際交渉力やグローバルビジネスの素養を身に付ける機会を増やす▽日本人留学経験者と海外からの留学生のデータベースを構築し、産学官民で活用する――よう提言した。

さらに、人工知能(AI)が浸透した社会では、社会の不安定化や将来予測の不確実性が高まるとして、人文・社会科学が未来社会の戦略を描く上で重要な役割を担っていると強調。文系・理系を問わず、さまざまな学問分野が連携・統合し、社会の課題に対して総合的に取り組んでいく必要があるとした。