子供の貧困対策大綱見直し 有識者会議、来夏に最終案

大綱の見直しを議論する有識者会議のメンバーら=12月3日、内閣府で、佐々木信郎撮影

内閣府の子供の貧困対策に関する有識者会議は12月3日の会合で、政府が2014年に閣議決定した「子供の貧困対策大綱」の見直し案を19年度にとりまとめることを確認した。

大綱は5年ごとに見直すことになっており、子供の貧困を巡る社会経済情勢の変化を踏まえ、年明けに外部有識者のヒアリングを実施。19年夏ごろには最終案をとりまとめる方針だ。

14年の大綱は、親から子供へ貧困が連鎖しないよう教育の格差是正を方針に掲げ、ひとり親家庭の支援や学習・就学支援などを盛り込んだ。見直しに当たっては▽教育の支援▽生活の支援▽保護者への就労支援▽経済的支援――の4項目の実績・実施状況をまず確認し、2019年度予算の概算要求を含む今後の取り組みを点検する。

子供の貧困解消を進める体制の在り方についても、国や地域、官公民の連携・国民運動の各立場から実施状況を確認し、今後の取り組みに生かす考えだ。

内閣府によると、大綱の閣議決定後、幼児教育・保育の段階的無償化と高校生の奨学給付金事業が14年度に実施され、児童扶養手当の多子加算額倍増や子供の生活・学習支援事業などを通じて、大綱に記載された指標はおおむね改善が進んだ。しかし、生活保護世帯における子供の大学進学率は35.3%(17年4月時点)にとどまり、ひとり親家庭における子供の就園率も73.4%(16年度)で11年度の72.3%から改善されていない。

3日の会合では、有識者会議のメンバーが新大綱に盛り込むべき点について意見を述べた。大阪府立大学の山野則子教授は「支援の必要な人が対策自体を知らなかったり、手続きをしなかったりする状況も多い」と指摘し、「新たな大綱では、困っている子や保護者への一層の目配りが必要で、多様な機関と人が援助に関われる仕組み作りができるよう考慮すべきだ」と訴えた。