超教育展が都内で開かれる 脱学校目指し、VRを議論

「VR×教育ワーキンググループ」の会場風景=12月1日午前11時50分、東京都文京区、小松亜由子撮影

未来の学習環境デザインを構想しようと、超教育協会は12月1日、「超教育展」を都内で開いた。協会は今年5月、従来の学校の枠を取り払った学びの場づくりを目指して設立され、AIなど先端技術の利用、ICT教育、デジタル教育活性化の推進に取り組む。会場では「国際デジタルえほんフェア」や、ロボットを用いた子供向けのワークショップが企画された。

協会の石戸奈々子理事長が進行役を務めた「VR×教育ワーキンググループ」では、教育の場におけるバーチャルリアリティー(VR)の活用の在り方を取り上げ、有識者らのパネリストが議論を深めた。

デジタルハリウッド大学の杉山知之学長は「『本番で力を出せない』という悩みを解消するため、パフォーマンスやプレゼンテーションを行う場面を体験させる」と持論を展開し、愛知工科大学の板宮朋基教授は「想定外の災害でも適切に避難できるよう、大きな災害に遭遇する体験をさせる」と提案した。石戸理事長は「いじめられる場面を体験させて他者の気持ちをリアルに感じ取らせ、いじめの防止につなげられないかと考えている」と述べた。

「○」「×」の札をパネリストが上げる場面では、「VRは教育に効果的か」の質問に全員が「○」を上げた。「効果的だというエビデンスは出ているか」の問いに対し、板宮教授だけが「×」と答え、「真に効果があったかを知るには、1年後の定着度を把握し、VRを用いなかった場合と比較するなどの分析が必要だ」と解説した。

講演するキャロライン・フー・フレクサーさん=12月1日午後3時45分、東京都文京区、小松亜由子撮影

東京大学先端科学技術研究センターの稲見昌彦教授はこれを受けて、「初等・中等教育に新しい物を導入したり成果を検証したりするのは難しい。まずは他の分野で実績を積み重ねる必要がある」と述べ、石戸理事長は「それが『公教育を超える』、つまり超教育が意味するところです」と指摘した上で、「本当は『超学校』と名付けたかったが、すでに商標登録されていて、かなわなかった」と補足した。

幼児向けオンライン学習プラットホーム「カーンアカデミー・キッズ」を立ち上げたキャロライン・フー・フレクサーさんの講演では、一般参加の6歳児が英語で「内容が簡単過ぎる」と指摘。フレクサーさんが「改善する」と笑顔で応じ、超教育の可能性を予感させる一幕もあった。