給特法見直しに署名3万筆 教育学者の会が共同会見

給特法の抜本的な見直しを訴える教育学者の会と過労死遺族ら=12月4日午後1時半すぎ、文科省、藤井孝良撮影

学校の働き方を考える教育学者の会は12月4日、現職の高校教員で給特法改正を求める署名活動をしている斉藤ひでみ氏(仮名)、教員の配偶者が過労死した遺族と共同で会見を開いた。斉藤氏は2月28日~11月30日に集めた3万2550筆の署名を同日、学者の会のメンバーや過労死遺族と共に文科、厚労両省に提出した。

同会は記者会見に先立ち、11月27日に学校の働き方改革を議論している中教審の特別部会に対し▽給特法の抜本的な改正▽年単位の変形労働時間制の導入見送り▽教職員定数の大幅な増加――を求める緊急提言を公表した。提言には12月3日時点で、30人の教育学者が賛同している。

同会呼び掛け人の藤田英典・共栄大学教授は「教員は労働者であり、その権利を認める必要がある。労働基準法の適用は極めて重要だ。教職は使命感と誇りがなければできない仕事だ。そのことを認める意味でも給与の問題は重要だ」と指摘した。

佐藤学・学習院大学教授は同じ呼び掛け人の立場から「ここ10年ほどで教員の勤務時間は大幅に増加したが、研修や授業準備など、教師の専門性のコアとなる部分は半減している。構造的な解決には、給特法が作り出してきた実態を明らかにした上で、何を軸に教師の仕事を統合し、より有効にしていくのかという議論を学校レベル、行政レベルで始めるのが第一歩だ」と述べた。

斉藤氏は「中教審の議論は現場の思いを全くくみ取っていない。教員にとってやらざるを得ない業務なのに、教員が好きでやっていることだと見なされるのは納得いかない。中教審は給特法について議論する場を設けてほしい」と訴えた。

公立中学校の教員だった夫が過労死した工藤祥子氏(全国過労死を考える家族の会会員)は変形労働時間制の導入について「私が関わった17件の教員の過労死事例のうち、7件が6、7月に起きている。変形労働時間制で労働時間が減るとされる夏休みまで身も心も持たない。休み前に業務が増えてしまえば、さらに過労死が増えるのではないか」と懸念した。