働き方改革で答申素案 勤務時間の上限規制で指針案

答申素案が出された働き方改革特別部会の会合=12月6日午前10時すぎ、東京都千代田区、藤井孝良撮影

中教審「学校における働き方改革特別部会」の第20回会合が12月6日に開かれ、最終報告となる答申素案が示された。公立学校の教員の長時間労働を抑制するため、勤務時間の上限として、超過勤務時間を1カ月45時間以内、1年間で360時間以内とするガイドライン案も、併せて出された。答申素案とガイドライン案は21日までパブリックコメントが実施され、年明けの中教審総会で答申される見込み。

答申素案では、これまで特別部会で議論を重ねてきた学校の働き方改革について、文科省、教育委員会、学校が直ちに取り組むべき施策を盛り込むとともに、実現に向けた工程表を示した。

ガイドライン案は、今年7月に公布された働き方改革推進法で、法定労働時間を超える時間外労働に規制が設けられたのを踏まえ、給特法の対象となっている公立学校の教員に対し、同法で定める超勤4項目以外の業務時間も含めた労働時間の上限を定めた。教員が学校にいる在校時間をタイムカードやコンピューターの使用時間に基づき客観的に計測する。校外での研修や引率、テレワークなども勤務時間に含める。ただし、自己研さんで学校にいる時間や休憩時間などは除く。

上限の目安時間として、超過勤務時間を1カ月45時間以内、1年間で360時間以内とする。児童生徒に関する特別な事情で勤務せざるを得ない場合でも年間で720時間を超えないようにし、1カ月の超過勤務時間が45時間を超える月は年間6カ月までとする。

教育委員会に対しては①ガイドラインを参考に、所管する公立学校の教員の、勤務時間の上限に関する方針の策定②①の実施状況を把握した上で、勤務時間の長時間化を防ぐための取り組みを実施③方針に基づいた人事委員会との連携強化――を求めた。

学校現場に対し、ガイドラインの上限の、目安時間の順守を求めるだけであってはならず、虚偽の記録を残したり、自宅に持ち帰る業務量が増えてしまったりすることは避けることも明記した。

文科省の2016年度教員勤務実態調査に基づく推計によると、1カ月当たり45時間以上の超過勤務に相当する1週間に50時間以上の超過勤務をしている教員は小学校で81.8%、中学校で89.0%に上る。文科省ではガイドラインの実効性を高めるため、来年以降、給特法改正案を国会に提出することを検討している。文科相が教員の勤務時間の上限についてガイドラインで定めることを同法に盛り込むことで、法令上の根拠を持たせたい考えだ。

文科省は6日、答申素案とガイドライン案について意見募集を始めた。締め切りは21日。意見の提出方法はe-Govのホームページで確認できる。