担任の決めつけ指導で自殺 奄美市の第三者委が報告書

鹿児島県奄美市で2015年11月、市立中学1年生(当時13)が自殺したのを受け、市の第三者委員会は12月9日に報告書をまとめ、市に提出した。担任の教諭が事実確認を十分せずに同級生をいじめたと決めつけ、指導と家庭訪問で生徒を追い詰めたことが原因と結論付けた。

報告書によると、生徒が自殺する前々日の15年11月2日に、同級生が「友達に嫌がらせを受けている」との理由で学校を欠席した。担任は2日後に登校してきた同級生に、嫌がらせの具体的な内容を書かせた。さらに、自殺した生徒を含む嫌がらせをしていたとされる複数の生徒を呼び出し、具体的な行為を書かせた上で謝罪させた。

当日の放課後、担任は自殺した生徒に事前に連絡をせずに家庭訪問し、「誰にでも失敗はあることなので改善することができればいい」などと声を掛けた。その発言を聞いた生徒は泣いていたという。その直後、帰宅した母親が首をつって自殺している生徒を発見した。

第三者委は、生徒や教員らへの聞き取りを基に、自殺した生徒が嫌がらせを受けたとする同級生にした行為をいじめと認めるのは困難だと判断した。自殺した生徒と同級生は一緒にサッカーをしたり、給食を運んだりするなど、普段から仲が良く、問題とされた言葉もたわいのない会話の中でのやりとりだったとした。

さらに、担任が一人一人の生徒から話を十分聞かずに、拙速に謝罪をさせたことなどに対し、生徒に寄り添った指導ではなかったと断定。家庭訪問における生徒への発言は生徒の気持ちや立場を理解しない不適切な行為で、過大で理不尽な自責感を生徒にもたらしたと推察される結果、生徒は心理的混乱を抑えきれずに突発的に自殺したと指摘した。

報告書は、教職員間で問題が共有されておらず、服装や生活指導に対して厳しい指導方針を掲げていた中学校の環境は生徒にストレスを与え、担任への従順と反発・不審の葛藤状態を高進させたとも指摘した。

市教委は報告書を受け、近く検証組織を立ち上げる。生徒指導や教育相談、いじめ対応の在り方を見直し、再発防止策を検討する。

教員の行き過ぎた指導を巡っては昨年3月、福井県池田町で町立中学校の生徒が担任や副担任から数回にわたり怒鳴られるなどの叱責を受け、自殺した事件が起きた。