ユネスコスクール大会開催 横浜市で、ESD推進を発信

あいさつをする浮島智子文科副大臣=12月8日、横浜市、小松亜由子撮影

第10回ユネスコスクール全国大会・持続可能な開発のための教育(ESD)研究大会が12月8日、横浜市立みなとみらい本町小学校であった。主催は文科省と日本ユネスコ国内委員会で、教育新聞社などが後援。全国から教員ら約800人が参加し、ESD大賞表彰式の他、ESD推進に向けた先進的な事例発表が繰り広げられた。

浮島智子文科副大臣は開会式のあいさつで、10年にわたるユネスコスクール全国大会の歴史を振り返り、「ESDに関するわが国の取り組みは好事例が数多くある。情報の共有化を通じてESDを一層進めてほしい」と呼び掛けた。

ユネスコ本部教育局・平和と持続可能な開発部のチェ・スヒャン部長は「日本のユネスコスクールは世界に誇るべき取り組みをしている」とたたえ、「世界に向けて発信してほしい」と訴えた。

「未来をつくる人材のあり方を考える」と題した特別対談では、コーディネーターの杉村美紀・上智大学グローバル化推進担当副学長が「批判的思考力とはどのような力か」と問い掛け、安西祐一郎・日本ユネスコ国内委員会会長が「例えば2018年6月に閣議決定した『第三期教育振興基本計画』を見た際に、読んで理解するだけではなく、『可能性を最大化するという文言に具体性がない』『経済界との関係に触れていない』など、さまざまな視点から問い直す力です」と回答。宮内孝久・横浜市教育委員が「教科書の他、新聞や本をよく読んだり、他者と対話したりして養われる」と補足した。

ユネスコスクール卒業生らによるパネルディスカッション=同

パネルディスカッションでは「ESD がつくるワタシたちの未来―ユネスコスクールで学び、育ち、そして、進む」をテーマに、ユネスコスクールの卒業生6人が意見を交換した。出身高校がユネスコスクールで、現在は大阪府立高校に勤務する市橋菜津美教諭は「高校在学中に学び合いや対話の重要性を知った」と述べ、その経験を生かした現在の指導例に多様な人々との交流学習を挙げた。小・中・高校とも防災教育に力を入れるユネスコスクールに通う宮城県気仙沼高校2年の伊藤夕妃さんは「防災への意識がいかに大切かを学んだ。将来は世界に向けて、ESDの視点から防災を広められる人になりたい」と語った。

11に分かれた分科会では、「ホールスクールアプローチで学校をデザインしよう」と題したワークショップや、SDGsをテーマに横浜市内の児童・生徒が議論する交流研修会が開かれた。特に交流研修会では、小学生から高校生までの4~5人が一つの班をつくり、計6班がそれぞれ「貧困問題に取り組むことがSDGsの第一歩だ」「ジェンダーの問題は社会全体の意識が変わらなければ解決しない」などと訴えた。