働き方改革で自民提言 教育再生本部が首相に要請

安倍首相に提言を提出する自民党教育再生実行本部のメンバーら(首相官邸HPより)

自民党の教育再生実行本部(本部長・馳浩元文科相)は12月12日、安倍晋三首相に第十一次提言を提出した。学校の働き方改革の実効性を高めるため、教職員定数の充実や1年単位の変形労働時間制、教員一人当たりの授業時間数の適正化に対する検討などを盛り込んだ。

実行本部で学校の働き方改革の方策を検討してきた「次世代の学校指導体制実現部会」が提言をまとめた。今年5月の「中間とりまとめ」に盛り込まれた1年単位の変形労働時間制に加え、学校の働き方改革を一刻も早く実効化する必要があるとした。学校や教師の役割について、政府から明確なメッセージを発信し、保護者や地域の理解を得ながら協力・支援を得ることの必要性を強調した。

提言は次の通り。

・学校における働き方改革の実効性を高めるためには、その趣旨や目的について、教育関係者はもちろんのこと、首長をはじめとした行政、保護者や地域にも十分に理解を得る必要がある。このため、政府を挙げて、国民的な運動を推進する。

・民間企業と同様の月45時間、年360時間などの時間を原則とする勤務時間の上限ガイドラインを策定し、これを踏まえたICTなどを活用した客観的な記録による勤務時間管理の徹底を図る。また、これを起点に、教育委員会が学校を支えながら、調査・報告などが教師の負担となることがないようにし、教師でなければできない業務以外の縮減、学校組織体制の見直しなどの諸施策を総合的に展開する。

・学校指導運営体制の効果的な強化・充実のため、小学校英語を担当する教師や中学校生徒指導を担当する教師など教職員定数の改善を図るとともに、専門スタッフや外部人材の一層の充実を通じてチーム学校を実現する。

・1年単位の変形労働時間制について、その導入を希望する自治体もあることから、学期中の勤務時間や長期休業中の業務を縮減するための調整を文部科学省が行い、実際に縮減することを前提として、自治体の判断で導入できるよう制度的な措置を講じる。

・学校における働き方改革の実施状況を適切に把握し、それを自治体ごとに公表することを通じて、各自治体が自ら業務を精選できるようにするなど、その主体的な取り組みを促すとともに、定期的な勤務実態調査を実施し、学校や教師をめぐる状況を定期的に把握してPDCAサイクルを回すようにする。

・教育委員会、管理職、教師などの関係者が、子供たちや教師たちの限られた資源である「時間」をいかに効果的に配分し活用するかの決断である。このことを保護者や地域の関係者も含めて共有し、教育の質の向上に資する学校における働き方改革の実現に向け一丸となって進んで行くことができるよう、「時間」を軸にしたマネジメントと人事・学校評価におけるこれらマネジメント能力の重視、インターネットなどを活用した学校における働き方改革の目的や実践例の積極的な発信、研修体系の見直しなどあらゆる政策手法を講じる。

・文部科学省において、学校に新たな業務を付加するような制度改正などを行う場合、既存の業務の縮減・廃止を行うなどのスクラップ・アンド・ビルドの原則を徹底する。

・教師一人当たりの持ち授業時間数の適正化や小学校の授業時間の弾力化、教員免許更新制における免許状更新講習を検証し、改善・充実を図るなど教員免許制度の改善などについて、魅力ある学校現場を実現する観点から引き続きの課題として検討していく。

・これらの取り組みを行うことによって教師の勤務時間を縮減した上で、頑張っている教師の士気を高め、また優秀な若者を教師として確保するためにも、人確法(人材確保法)の精神も踏まえ、恒久的な財源の確保を前提に、教師の処遇改善や教師を志す若者への支援について引き続き検討する。