尊敬し合おうと岩隈投手 都内でいのちと心の授業

生徒らと「行動宣言」を発表する岩隈投手=12月14日、東京都文京区、阿部玲子撮影

東京都文京区の区立本郷台中学校(齊藤正富校長・生徒169人)で12月14日、いじめ撲滅を目指すプロジェクトによる「いのちと心の授業」があった。プロジェクトの発起人で、米大リーグ・マリナーズからプロ野球・巨人軍への移籍が決まった岩隈久志投手も参加。全校生徒と参観した保護者へ「勇気を持って今までの行動を変え、いじめをなくすヒーローになろう」と呼び掛けた。

「子どもの発達科学研究所」などが手掛けるいじめ撲滅プロジェクト「BE A HERO」の一環。授業に加わった同研究所の和久田学主席研究員は、思春期に人の気持ちを考えずに行動しがちなのは、活発に感情が動く一方でそれを抑制する力が育っていない、この年代の脳の特徴だと説明した。「一番困るのは皆が傷つけ合って、安全でなくなってしまうこと。親も先生も他の大人たちも、君たちを守りたいと思っていることを知っておいてほしい」と訴えた。

授業の中盤からはいくつかのエピソードについてディスカッション形式で語り合った。「あるスポーツクラブで、チームのレギュラーの一人が特定の生徒に自分の荷物を持たせたりお菓子を買いに行かせたりしていたらどう思うか」とのテーマを巡っては、3年生の男子生徒は「自分のことは自分でやって、チームのことは皆でやるべきだ」、1年生の女子生徒は「レギュラーはクラブ内ではすごいかもしれないが、場所が変われば下の立場になることもあるからやめたほうがいい」など、それぞれの意見を述べた。岩隈投手は「メジャーリーガーは力の差に関係なく一人一人が尊敬し合っている。相手を尊敬することによって自分も尊敬される。いろいろな国の選手がいるメジャーでは相手の気持ちを思うことが大切で、それができる人たちが集まっていた」と話した。

授業の総括に、2年生の森杏美さんと1年生の三森浩司さんが生徒を代表して「行動宣言」を発表した。森さんは「相手のことを考えて行動する」、三森さんは「暴言や暴力を見たら注意する、よく考えてから話す」と宣言した。

この日の授業について齊藤校長は「日頃の自分の言動を見つめ直す場面が今まで以上に増えてくれれば」と生徒たちの「変化」に期待を寄せた。