クラウド活用で遠隔地交流 宮城と神戸で高校Zoom会議

Zoomを活用し、北海道・宮城県・兵庫県の高校生が遠隔地交流=12月17日午後4時50分、東京都文京区、小松亜由子撮影

「遠く離れた場所にいても、目の前にいるみたいに話し合えるので、学校だけで孤立せずに共同研究が進められる」「兵庫県の復興について、具体的に知ることができる。『Zoom会議』で学んだことを、復興に向けて頑張っている宮城県のために生かしたい」――。Zoomを活用した大型スクリーンでのテレビ会議を終え、生徒らが感想を述べた。

宮城県多賀城高校と神戸大学附属中等教育学校が今年度から取り組んでいるのは、ビジュアルコミュニケーションZoomを活用した遠隔地交流。毎月1回「Zoom会議」を開催し、防災・減災の課題研究を巡り質疑応答や意見交換を続けている。

Zoomは、米国企業が提供しNECネッツエスアイ(東京都文京区)が日本で販売するクラウドサービス。タブレット端末などを通じて、高画質とクリアな音声でテレビ会議ができる。両校と宮城教育大学、NECネッツエスアイの4者は共同で、Zoomを用いた遠隔地交流がもたらす教育効果の研究を進めていて、NECネッツエスアイの担当者は「遠隔地間で主体的にICTを活用して交流し、課題解決学習に取り組む事例はとても少なく、今後の教育モデルになる」と話す。

8回目となる12月17日は、両校からそれぞれ1、2年生14人が参加。仮設住宅の課題解決について意見を交わした。多賀城高校は孤独死を重要課題として取り上げ、ボランティアが孤独死を防ぐのに十分なコミュニケーションを取っていないと述べた。これを受けて神戸大附属中等教育学校は「神戸では震災後の孤独死の記憶は風化しつつあるが、忘れてはならない」と指摘し、「孤独死を防ぐためのボランティアは存在していたのか、次回のZoom会議までに研究してほしい」と多賀城高校側が求めると、「調査する」と約束した。

この日は北海道浦河高校の生徒もZoomを通じ、神戸大附属中等教育学校と多賀城高校のやりとりを見学。Zoom会議が終わると、「自分たちの学校でも防災・減災の研究に取り組み、地域に貢献したい」との声が上がった。

多賀城高校の今泉晃広教諭は「Zoomの導入で課題研究が飛躍的に進んだ」と説明し、理由に臨場感を挙げた。「同じ空間で話しているかのような臨場感があるため、互いに刺激し合っており、研究に対する積極性を常に持っていられる」と語った。

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