【教育ニュース記者回顧(1)】プログラミングだけではない ICT教育が前進した1年

遠隔授業で宇宙旅行を疑似体験する生徒ら(都立府中けやきの森学園)

小学校でのプログラミングの必修化を受けて、プログラミングがICT教育の代名詞のようになっているが、2018年はプログラミング以外にも、ICT教育が大きく前進した年だった。

特に今年注目されたのが遠隔教育だ。先日文科省が発表した「新時代の学びを支える先端技術のフル活用に向けて~柴山・学びの革新プラン~」では、2020年代の早期に全ての小・中・高校で遠隔教育を活用できるようにすることがうたわれている。離島や過疎地の小規模校と別の学校を結び、より大きな集団で授業を実施したり、病気療養中や不登校の児童生徒が授業に参加したり、専門的な分野での外部講師による授業が実現したりと、遠隔教育の「実用化」に国も意気込んでいる。

ICTによる恩恵を最も受けるのは特別支援の現場だろう。そう実感したのは今年の秋、東京都立府中けやきの森学園で、国立天文台と全国の複数の特別支援学校を中継した遠隔合同授業を取材したときだ(10月25日電子版既報)。車いすで生活する生徒が外出してさまざまな人と関わりを持つには、物理的にも心理的にも高いハードルがある。しかし、ICTはそのハードルを低くすることができる。

特別支援での需要はわずかかもしれない。しかし、彼ら彼女らにとって使いやすく、世界を広げるツールであるならば、それは多くの人にとっても同様であるはずだ。ICTは学校の学びを一人一人の子供にとって最適なものにするだろう。その潜在的な需要は確かに存在する。少しずつではあるが、制度は変わり、技術も進歩し、実現に向けて前に進んでいる。来年はこの歩みがさらに力強く、少しだけ急ぎ足になることを期待したい。(F)