【教育ニュース記者回顧(3)】働き方改革の鍵握る教員増 新時代に合う職場環境こそ

「働き方改革」について意見を交わす教員たち(東京都豊島区)

「教員の働き方改革」が関心を集めた今年、取材を通じて最も多く耳にしたのは、「早く帰る人は増えたが、仕事ができる人や断れない人の業務が増えるようになった」という声だった。仕事にきちんと向き合う人を追い詰める、本末転倒の流れだと思った。

教員数が増加していないことがその背景にあるだろう。厚労省が10月に発表した「過労死等防止対策白書」は、全国の教職員3万5640人が回答したアンケートの結果を取り上げている。過重労働防止に必要だと感じる取り組みのトップが「教員の増員」(78.5%)だったのに対し、校長が実際に手掛けた取り組みの上位は「校内会議時間の短縮」(39.1%)「管理職から教員への積極的な声かけ」(34.0%)で、「教員の増員」は6.8%にとどまった。行政と学校の間をつなぐ校長と、子供や保護者と日々向き合う教員との間に、何と大きなギャップがあることか。

単純に考えれば、教員の長時間労働の原因は、業務量に対し教員の数が少ないことだ。教員という職業には高い専門性や指導力、使命感が求められるのだから、教員数の不足を補うことができるのは教員だけだと思う。長時間労働解消に国や自治体が支援スタッフの配置や外部への委託に傾斜しているのは、問題の本質に目をつむっている証しに受け取れる。

12月28日に都内で開催された「エッセンシャル思考で見直す学校の働き方改革」と題する教員の会合で、こんなやりとりがあった。進行役が「年間のどの時期が忙しいのか」と参加者に水を向ける。一人が「成績処理や部活動の大会の時期はものすごく忙しい。普段も忙しい。日々自転車操業で、予期せぬアクシデントが多発するなど休める時がない」と口を開いた。「一人で抱える仕事が本当に多い」と続けると、記者を含め、全員が大きくうなずいた。

「過労死弁護団全国連絡会議」代表幹事で教員や教委職員の過労自殺・過労死を扱ってきた松丸正弁護士は、「教育現場で法律やルールがきちんと運用されていない以上、教員数を増やすしかない」と話す。間もなく、年号が変わる。新しい時代にふさわしい、教員がそれぞれの力を伸び伸びと発揮できる環境について、突き詰めて考えたい。(K)