国語授業を深い学びに接続 都内で活発な実践研究大会

実践報告を評価する桂聖教諭(右)=12月27日午後3時、東京都八王子市、小松亜由子撮影

「『深い学び』のための国語授業をどうデザインするか」を大会テーマとする国語教育実践研究大会が12月27日、都内であった。主催は「東京・国語教育探究の会」で、東京都教委と八王子市教委が後援。定員の200人を超す教員が全国から参加し、実践報告や講演、文科省教科調査官・大学教授・学校教員による鼎(てい)談に聞き入った。

実践報告では、4人の教員が模擬授業を披露。小学1年の説明文「どうぶつの赤ちゃん」を題材に発表した川崎市立富士見台小学校の土居正博教諭は、低学年における国語授業の難しさについて▽事例を列挙したシンプルな説明文が題材であるため、筆者の工夫が見付けにくい▽文字面を読み取るだけの内容理解に陥りがちになる――とまとめ、「自分の知識や経験と結び付けた、深い理解に発展させたいと考えた」と実践の狙いを語った。

授業は、全ての児童が授業参加できるように「which型」の発問をし、「ライオンと人間の共通点はどのようなところか」など、身近な出来事に引き付けて考えさせる問いを展開した。ワークシートを用いて事例の順序に着目させる指導を通じ、分かりやすくシンプルに伝えようとする筆者の意図に気付かせることが、論理的な文章を書く力の育成につながると述べた。

講評した筑波大学附属小学校の桂聖教諭は、読む力には▽文字面を読み取るだけの確認読み▽内容を深く理解する解釈読み▽自分にとってこの文章がどのような意味を持つか分析する評価読み――の三段階があると解説した上で、土居教諭の授業を「『確認読み』だけになりがちな低学年で、『解釈読み』に展開している」と評価。「系統的・段階的な指導は、算数などでは進んでいるが、国語の読み方指導ではまだまだ。例えば筆者の意図を理解する指導では、低学年で『事例の順序』、中学年で『事例の選択』を理解する力を育成するなど、系統立った指導が必要だ」と続けた。

鼎談では、文科省初中局教育課程課の菊池英慈教科調査官が、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善を取り上げ、「単元や題材といった大きなまとまりの中で実現を図るものである」など六つのポイントを説明した。

桂教諭は「国語授業における最大の問題は、単元の終わりに、子供の発言を『どれもいい』として終わってしまうこと、拡散してしまうことだ。単元の終わりでは、子供が形成した考えを揺さぶるような発問をして、拡散したものを一つの方向に収束させるように、まとめをすることが重要になる」と語った。

創価大学大学院の石丸憲一教授が「考えの形成は、単元など大きなまとまりの終わりだけでなされるか」と尋ねると、桂教諭は「1時間の授業でも考えの変容や形成が必要だ。一つの題材に対する精査・解釈を積み重ねることで、深い考えが形成される」と答えた。