東京英語村で実践発表会 小・中・高の9校が報告

英語力の育成について講演する立教大学の松本茂教授=1月15日午後3時10分、東京都江東区、小松亜由子撮影

「東京都英語村TOKYO GLOBAL GATEWAY(TGG)」の実践事例発表会が1月15日、東京都江東区青海のTGG施設内であった。主催は東京都教委。教員ら約200人が参加し、TGGを利用した学校の成果報告が披露された。

TGGは昨年9月にオープンした。海外に来たと入村者に錯覚させるような施設が整い、英語を実践的に学習できる工夫が凝らされている。TGGの学習プログラムを監修した立教大学経営学部教授・グローバル教育センター長の松本茂氏は講演で「使える英語力」の育成について触れ、「個人学習→対話的学習→実践」のサイクルが重要だと指摘した。さらに「対話的学習は同級生や教員との間でできる活動だが、実践は非日常の空間で、見ず知らずの他人を相手に行う必要がある」と説明し、TGGは理想的な実践の場だと述べた。

TGGの学習プログラムを実施した9校が小・中・高校に分かれて事例発表した。

品川区立八潮学園は小中一貫校の強みを生かし、9年間の系統的な英語教育を展開している。TGG は4年生の学校行事に位置付けて利用し、「オールイングリッシュでのプログラミング」や「外国のレストランでの注文」を体験させたと報告した。4年生までの「楽しむ英語」から、5年生からの「使える英語」への移行に関する学習意欲向上が狙いで、事後のアンケートで児童の大半が「今後の英語学習の刺激になった」(94%)「英語が好きになった」(98%)と回答したと報告した。

 

TGGを利用した児童の様子を説明=1月15日午後4時30分、東京都江東区、小松亜由子撮影

参加者からは学習プログラムの実施に関する質問が次々と寄せられた。「バスを借り上げてTGGまで移動したというが、バス代はどのようにして集めたのか」という質問に対し、事例発表した学校側は「例年購入していたドリルをプリント教材に替えたり、別の学校行事の規模を縮小したりして捻出した。家庭への負担を避けるため、保護者からは徴収しなかった」と答えた。

進学校で知られる私立桜蔭高校(東京都文京区)は、生徒の67%が「授業中に英語を話さない」とアンケートに答えているとして、進学のために英語を熱心に学習していても発音には積極的ではないと紹介した。「TGGで英語のニュース報道に携わる職業体験で、ネーティブのスタッフらによる誘導により徐々にオールイングリッシュで会話するようになった」と述べ、学習プログラム終了後のアンケートに「英語は勉強する対象ではなく、コミュニケーションの手段だと分かった」「スタッフが多国籍で、世界の多様性を感じた」といった記述が多く見られたと報告した。

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