AIで数学の学習時間を短縮 未来の教室PJが成果報告

EdTechによる実証事業の成果が報告された=1月21日午後3時すぎ、東京都港区、藤井孝良撮影

経産省は1月21日、「『未来の教室』とEdTech研究会」の第5回会合を都内で開いた。2年目を迎えた「『未来の教室』プロジェクト」の成果として、人工知能(AI)により数学の学習時間の短縮に成功した事例が報告された。研究会は5月末の第2次提言に向けて、EdTechの導入による教育効果や学校改革の議論を本格化させる。

研究会は2018年6月に第1次提言を公表し、今年度は初等中等教育で23件、高等・リカレント教育で27件の実証事業を全国で展開している。EdTechによって教科学習を個別最適化し、学習時間を短縮させた上で、STEAM教育をはじめとする探究学習の充実を目指している。

会合では、COMPASS(本社・東京都)の開発による数学のAI教材「Qubena(キュビナ)」を取り入れた東京都千代田区立麹町中学校の実証事業成果が報告された。QubenaはAIが生徒一人一人の得意・不得意傾向を分析し、解くべき問題へと誘導するタブレット教材。同校は習熟度別でクラスを分けている数学の基礎クラスの授業に導入した。その結果、従来の授業と比べ単元ごとにかける時間を大幅に削減できただけでなく、学年によっては発展クラスとの偏差値の差も縮まった。

研究会委員の工藤勇一・同校校長は「生徒は学校でも勉強し、塾でも勉強し、効率が良くない。学びのスタイルを変えなければいけない。Qubenaのような技術は学習時間の短縮に貢献するに違いない」と評価した。

今後、研究会では、コンサルタントが現場に密着し業務分析と改善仮説を検討するBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)による学校の働き方改革の有効性や、学習塾をはじめとする民間教育の新たなサービス創出について議論する。