中学国語に業務アプリ活用 ソフトウエア会社と連携

サイボウズと連携した授業を展開した前川智美教諭=1月21日午後2時10分、東京都板橋区、小松亜由子撮影

クラウドサービスを提供するサイボウズと連携した国語の授業が1月21日、東京都板橋区立高島第二中学校(香積信明校長、生徒330人)であった。集めた情報を基に考えたことを分かりやすく、かつ論理的に書く力を養うのが目的。使用したのは業務改善アプリkintone(キントーン)で、同社によれば、中学校でkintoneを使った授業は全国で初めてだという。

担当の前川智美教諭は「これからは従来の教育の在り方が通用しなくなる。学校教育を通じて子供たちを社会につなげていくことが重要だ」と述べ、「連携企業を探して授業に呼び込み、一緒にプロジェクトを立ち上げて授業を作っていく。そういう授業スタイルが、これからの公教育に求められていくのではないかと思う」と狙いについて語る。

連携授業は単元の最終回となった21日を含め約3週間。生徒は課題である「中学生に売れる新しい文房具を考案し、企画書で示す」に取り組んだ。やみくもに自分の好みやイメージでアイデアを出すのではなく、kintoneを活用して情報を集め、統計データを基に「中学生のニーズ」「中学生のトレンド」を分析した上で、新商品を考え企画書を作ることを前川教諭は生徒に求めた。

他の生徒が書いた企画書を読み込む=1月21日午後1時50分、東京都板橋区、小松亜由子撮影

前川教諭が特に重視したのは、根拠を示すこと。集めた情報からグラフを作らせ、「なぜこの商品が売れると考えたのか」を明確にしながら、商品の説明をするよう指導した。パソコンの操作に手間取る生徒は、区が契約するICT支援員がサポートした。

21日の授業は企画書の発表に割り当てられた。生徒は指定された5~6人の企画書を読み込み、各自「いいね」を付けたりコメントしたりした。自身へのコメントを読む時間では、「こんなふうにクラスの人から褒められたことはなかった」と喜ぶ姿や、「他の人の企画書は分かりやすかったけど、自分は企画書に感想を書いてしまったから、あまり『いいね』が付かなかった」と反省する様子が見られた。コメントが多かった企画書を発表した生徒に対し、他の生徒は「飾りの少ないシンプルな文房具がいいと考えたのがなぜかなど、内容がよく伝わった」と称賛した。

前川教諭は、他者に伝わる文章を書くためには構成を工夫することが重要だとまとめ、「事実」「考察」「結論」を分けて書くことや、「結論」を先に示すとより分かりやすくなる場合があることを説明した。