教員と映画監督には共通点 『こんな夜更けに…』上映会

現在公開中の映画『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』=公式HPより

現在公開中の映画『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』の大ヒットを記念し、上映会とトークショーが1月24日、京都教育大学で開催された。教員や教員を目指す学生の、特別支援教育への意識を高める目的。前田哲監督と同学の黒田恭史教授が登壇し、多様なニーズがある児童・生徒への支援について語り合った。

本作は渡辺一史氏のノンフィクション作品を基に、幼い頃から筋ジストロフィーを患い、体が不自由な主人公が自由気ままに生きる様を描いたストーリー。実在する主人公を大泉洋さんが、教員志望の学生を高畑充希さんが演じる。

前田監督は2008年、黒田教授が小学校教員だったころの教育実践を基に、映画『ブタがいた教室』を制作し公開した。監督はこれまでにも作品を通じて、教員が与える影響力の大きさや命の大切さを伝えてきたといい、自身も大学教員を務めた経験を踏まえ、「教員と映画監督には共通点がある」と説明。

トークショーで登壇した前田哲監督(右)と黒田恭史教授=黒田教授提供

「映画の主役は役者であり、役者に力を発揮させるのが監督の役割。役者がセリフや振り付けの細部を自分で考えて演技すれば、監督が想定した以上の場面が誕生する」とした上で、「教員と子供の関係でも、教員は子供に最大限の力を発揮させるための場づくりに専念する。そして、生徒自らが考え行動することを大事にしている」と述べ、会場から大きな共感を得た。

黒田教授は作品について「笑いを交えながらも、命の問題や『生きる』という問題をギリギリまで問い、上映中ずっと心を揺さぶられ続けた」といい、「前田監督のメッセージは、若い方々の未来の教師像に少なからず影響を与えるに違いない」とまとめた。

参加者からは、終了予定時刻を過ぎてもなお多数の質問が寄せられ、終了後、参加した教員志望の学生は「子供が主役になれる場をつくることの大切さに気付かされた」「立場や環境の違いがあっても、人と人は対等であると再認識した」と感想を語った。