「SSWの役割明確にして」 子供の貧困対策会議で指摘

子供の貧困対策におけるSSWの課題を議論した=1月29日午後3時すぎ、内閣府、藤井孝良撮影

内閣府の「子供の貧困対策有識者会議」は1月29日、第10回会合を開き、子供の貧困対策大綱の新たな策定に向けて、スクールソーシャルワーカー(SSW)の課題をテーマに議論した。子供の貧困対策のキーパーソンとしての役割を果たすために、SSWの業務を明確にする必要性が、外部有識者や構成員から指摘された。

外部有識者で、滋賀県でソーシャルワーカーとして活動する幸重社会福祉士事務所代表の幸重忠孝氏は、SSWの業務内容が自治体によって異なる上、求められる役割が示されていないと指摘。「SSWが増えたのは前進だが、地域の民間団体やケースワーカーとSSWがつながりを築くまでには至っていない」と述べた。

横浜市教育委員会でSSWスーパーバイザーを務める渡邉香子氏は、同市立小学校に配置されている児童支援専門教諭との連携や、市立高校、特別支援学校でのSSWの取り組みを報告。「学校は家庭をかばいがちで、正確な状況が福祉機関に伝わらない。福祉機関も子供の成長段階に合わせた適切な支援の視点が欠けている。その間をつなぐSSWの位置付けを明確にし、学校と福祉が定期的に情報共有をしていかなければならない」と強調した。

両氏の報告を踏まえ、山野則子・大阪府立大学教授は「SSWを機能させるためには、分掌の明記や定例連絡会議の設置、福祉との連携の明確化などを示すべきだ」と述べた。

末冨芳・日本大学教授は「現在の大綱では学校を子供の貧困対策のプラットホームと位置付けているが、学校現場には負担増と受け止められている。次の大綱では、教員が丸抱えするのではなく、SSWや福祉機関と情報共有して、一緒に解決していくことを明確にしたい」と話した。