「人には使命がある」 猪瀬元都知事が講演

講演する元東京都知事の猪瀬直樹氏=1月29日午後7時30分、東京都渋谷区、小松亜由子撮影

元東京都知事で作家の猪瀬直樹氏の講演会が1月29日、都内で開かれた。環境教育に携わる教員への助成などを行う、日本環境教育機構が主催。猪瀬氏は「防災・減災」の観点から、東日本大震災でのSNSを通じた体験を紹介したほか、持続可能な社会づくりの話題に触れた。

震災発生当時、副知事だった猪瀬氏のツイッターに、あるツイートが投稿された。「宮城県気仙沼市で障害者施設を運営する母が、高齢者や子供らと共に公民館で孤立している。消防にはつながらない。空から救助できないか」という内容。

猪瀬氏は「余計な前置きを省いて、ファクトとロジックだけに基づいた説明をする力」を感じ、「このツイートがデマではないと分かった」といい、東京消防庁に相談してヘリコプターを派遣。公民館に取り残されていた400人以上を、2日かけて救助できた。

後日、猪瀬氏はツイートした人物に会ったといい、「それぞれの人が自分の役割を発揮してこそ、物事がなしえる。誰しも『ここ一番』と感じるところに、人生のどこかで出会う」と語り、「人には使命がある。重要なのは、それを果たすべきときだと感じられるかどうかだ」と述べた。

加えて、2020年に控えた東京オリンピック・パラリンピックに言及。近代化を成し遂げた現代では「成熟した大会」になると述べ、招致活動を通じて強調したのは、1964年大会とは異なる、近代を超えた日本の風景を提示することだったと述べた。

その上で、歴史を知り理解することの重要性に触れ、「日常の中で忘れられがちだが、われわれは歴史の連続性の中で生きている。政治など公の時間の中に個人の時間があることを意識するべきだ」と締めくくった。