シンガポール流アクティブ・ラーニング シンポで報告

これからの教員の資質・能力について語るタン教授=1月30日午後1時半すぎ、藤井孝良撮影

シンガポールと日本の教室環境などを比較し議論する、教育改革国際シンポジウム「学びのイノベーションに向けた創造的で働きやすい学校空間」(国立教育政策研究所主催)が1月30日、文科省で開かれた。教育関係者ら約200人が参加。講演ではシンガポールにおける、アクティブ・ラーニング(AL)の事例が報告された。

シンガポール国立教育学院のタン・ウン・セン教授が、同国の教育改革と教員養成をテーマに講演した。同教授によると、同国は知識詰め込み型で競争重視の教育から、ALによる自己主導型の学びにシフト。それに伴い教員養成も改革され、▽学習者中心▽教師のアイデンティティーの確立▽職業や地域社会への貢献――の三つの価値に基づき、これからの教員に求められるスキルが位置付けられた。

教室空間の設計について説明するラヴィ・センター長=同

同教授は「第一に考える教師を育てなければならない。これからの教師には、学習のファシリテーターだけでなく、他者との学習の仲介者や知識環境の設計者としての役割が求められる」と強調した。

シンガポール国立大学のラヴィ・チャンドラン教育工学センター長は、同学など、自身が手がけた学習空間の設計コンセプトについて発表。「大学の授業でも反転学習を前提としたALの割合が増えている」と指摘し、「ALは技術を必要とするが、例えばホワイトボードを増やしたり、時計の位置を変えたりといった簡易な変化でも十分な成果が出る場合がある。求められている学習成果に、どの程度の技術が必要なのかを検討するのが重要だ」と述べた。