教頭の死は過労自殺、労基署が労災認定 大阪緑涼高校

教頭が命を絶った大阪緑涼高校=2018年11月、大阪府藤井寺市、小松亜由子撮影

大阪緑涼高校の校内で2018年3月に、首をつって亡くなった男性教頭(当時53)の死について、羽曳野労働基準監督署が過労自殺とし、労災と認定していたことが2月1日、遺族側代理人への取材で分かった。認定は1月25日付で、遺族側の主張に沿い、業務と教頭の死の因果関係を認めた。(関連クローズアップ「過労自殺は『自ら選んだ死』ではない」上「過労自殺は『自ら選んだ死』ではない」下

遺族側代理人の松丸正弁護士によると、認定の理由には18年3月中旬ごろに発症したとみられる適応障害がある。残業が月200時間を超えるなどの長時間労働や、校長らによる指導が発症の要因だと認められた。

加えて、羽曳野労基署は教頭について、校長らの指示に従って膨大な業務にあたっていた実態があり、授業も担当していたことなどから、「管理監督者」には該当しないと判断。残業代支払いの対象となるとして、生前の給与に未払いの残業代を加えた額に基づいて、遺族への労災給付額を決めた。

遺族側代理人を務める松丸正弁護士=2018年11月、大阪府堺市、小松亜由子撮影

「過労死弁護団全国連絡会議」代表幹事を務める松丸弁護士は、教員や教委職員の過労自殺・過労死を数多く扱ってきた経験から、「教頭の自死は、特殊性もあるが、公立・私立を問わずどの学校でも起こりうる」と指摘。「教頭の過重な勤務が認められたことの意義は非常に大きい。教頭をフォローする体制を作らず、教頭の生命や健康に対する配慮義務も怠っていたことについて、問題だと認識させることにつながる」と語った。

教頭の遺族は、同校を運営する学校法人谷岡学園に損害賠償を求める訴訟を起こしている。学園が実施した「特別監査」では「高圧的かつ必要以上に細かな指示・要求」を教頭に対して頻繁に行っていたことが明らかになっており、遺族は校長のパワハラがあり、「教頭はひどい嫌がらせ、いじめと評価される限度を超えた指導を受けていた」と訴えている。

一方、学園側は訴訟の中で、教頭は管理職であり、長時間労働は自身の裁量によるものだったと反論して争っており、校長はパワハラを否定している。

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