「地域の課題を教室で解決」 終わらない学びを提言

埼玉・戸田第二小で行われたトークセッション

「子供たちの未来のために、昨日までと違う授業をしよう」――。埼玉県戸田市立戸田第二小学校(小高美惠子校長、児童数1029人)で1月31日に行われた公開授業研究会で、20年後の子供たちに必要な力をつけるための学びをテーマに、トークセッションが行われた。

横浜市立日枝小学校の住田昌治校長、札幌市立屯田北小学校の朝倉一民主幹教諭、インテルの竹元賢治・教育事業推進担当部長、IGSの中里忍取締役CMOが登壇。文科省の佐藤悠樹氏が司会を務めた。

住田校長は20年後の社会を「少子高齢化が確実に進んでいる。また、外国籍の児童が増え、環境問題もさらに深刻化している」と予測し、「それらの課題にどう対応していくのかを、子供たちは学んでいかなくてはならない。そのためには、やったことに対してリフレクションすること。そして体験活動を増やすなど、子供たちの感性を大切にすることが重要だ」と述べた。

また、中里氏は自社のコンピテンシー測定システムが、企業の新卒採用の適性検査で10万人以上に利用されてきたことに触れ、蓄積されたデータから企業が求めている学生像を説明。「企業は、例えばコミュニケーション能力が高い人物、感受性が高くアイデアが出せる人物など、多様な能力を持った人物を集めたいと考えている」と指摘し、「先のことが予測できない中、さまざまなコンピテンシーの中でも、特に『柔軟性』を持った人材が強く求められている」と述べた。

朝倉主幹教諭は「教員には、その地域や子供に合わせたカリキュラム・マネジメントをしていく力が求められている」とし、PBLはそのヒントになるとアドバイス。「戸田第二小学校の総合的な学習の時間でのPBL導入は、非常に良い効果が出ているように見えた。これからは社会にどう関わって、つながっていくのかが重要。授業づくりが『去年は何をしていただろう?』で始まるようではダメだ」と強調した。

また、明日からすぐに取り組めることとして、住田校長は「まずは『どうせ変わらない』という諦めの気持ちをなくすこと。地域や社会にある課題を、学校に持ち込もう。教室の中で解決して、終わらない学びに取り組んでいくべきだ」と呼びかけた。

竹元氏は「次世代の人材に期待することはイノベーション。そのためには課題を発見し、解決する力、創造的思考力、その時代に必要となる知識・理解・技能・モラルが必要だ。教員は子供たちの未来のために、変化を恐れず取り組んでほしい」と締めくくった。