遠隔で全国の特支つなぐ 肢体不自由の高校生らプレゼン

遠隔システムを通じて生徒の発表を聞く審査員=2月5日午前10時すぎ、東京都立志村学園、藤井孝良撮影

肢体不自由の高校生が自分たちと日本の社会の未来を描く――。全国の特別支援学校を遠隔システムでつなぎ、生徒が発表する「ミラコン2018~未来を見通すコンテスト~プレゼンカップ全国大会」(全国特別支援学校肢体不自由教育校長会主催)が2月5日、東京都板橋区の都立志村学園(諏訪肇校長、児童生徒334人)を会場に開かれた。肢体不自由の特別支援学校高等部の生徒による、全国規模のプレゼンテーション大会は初めて。生徒らは自らの経験から、障害者が暮らしやすい社会の実現に向けたアイデアを提案した。

肢体不自由の特別支援学校は全国に約300校。車いすでの移動に制約のある生徒は、他校の生徒との交流が難しいため、全肢長が中心となり、思考力や言語力、社会との関係性の育成を目的に、遠隔システムを活用したプレゼン大会を企画した。

2月5日はファイナルステージとなり、各地域ブロック予選を勝ち抜いた7校の生徒が発表。審査員のいる志村学園と各校は、OKIワークウェルの遠隔システムでつないだ。

クラシック音楽が好きで、パリのオペラ座を訪ねることが夢だという中部ブロック代表の河﨑祐奈さん(石川県立いしかわ特別支援学校3年生)は、車いすでの移動では、トイレの利用が常に悩ましい問題だと指摘。「外食先に和式トイレしかなく、食事をあきらめた生徒もいる。飛行機や電車の多目的トイレ設置や、名前を呼ぶと近づいて、手すりの役割を果たしてくれる介助ロボットがあれば便利だ」と解決策を提案した。

2016年に起きた熊本地震で被災し、車いすに乗ったまま車中泊を経験した、九州・沖縄ブロック代表の日隈渉さん(熊本県立松橋支援学校1年生)は、段ボールでできる簡易ベッドなど防災グッズの作り方を授業で学んだ。日隈さんは「防災グッズの作り方を知っていれば、自分も多くの人の役に立つ。そうやって自分から声を上げれば、災害時でも障害者の支援に目が向けられるようになる」と話した。

表彰では、第1位の最優秀賞に河﨑さん、第2位の優秀賞に日隈さんがそれぞれ選ばれた。審査結果が発表されると、遠隔システムのマイクを通じて、それぞれの学校からの受賞を祝う歓声が会場に響き渡った。

【訂正】都立志村学園の児童生徒数を334人に訂正しました。