「学習面で交流を」 インクルーシブ教育で研究成果報告

成果報告する齊藤由美子総括研究員

2月16日に開かれた国立特別支援教育総合研究所のセミナー「インクルーシブ教育システムの推進―多様な学びの場における研究所のコンテンツ活用―」では、教育現場の課題解決に向けた研究活動の成果報告や記念講演もあった。

同研究所の齊藤由美子総括研究員は「校内における交流及び共同学習の充実」と題した成果報告で、「校内での交流はさかんに実施されているが、『コミュニケーションの充実』の視点が主で、『教科の狙いの達成』の側面はおろそかにされがちだ」と指摘し、社会性や行動面だけではなく、学習面での交流が重要だと強調した。

その上で、学習面での交流を▽1次的な取り組み(ユニバーサルデザイン化された授業や、多様なニーズに応じた目標と評価の設定)▽2次的な取り組み(配慮を要する子供に対する小集団での支援や教育相談などの対応)▽3次的な取り組み(集中的に支援が必要な子供に対する密度の高い指導)――に分けて実施する必要があると説明。

それぞれの取り組みを、学校がチームとなって連携しながら展開していけば、通常学級に在籍する特別なニーズを必要とする子供も含め、全ての子供への学習支援が充実すると語った。

記念講演では、東京学芸大学附属養護学校(当時)や東京都立特別支援学校の教諭を務め、現在は全国病弱虚弱教育学校PTA連合会事務局や東京都立小児医療センター外部委員として障害のある子供の支援に尽力する坂田紀行さん(72)が、「私の歩んできた特別支援教育」と題して講演。

「長年の教育実践で学んだのは、研究や研修をする人だけが子供に教える資格があるということだ」と述べ、地域や大学、研究所などの教育力を導入し、意識を刷新させながら、「毎日が勝負だ」という気持ちで新しいアイデアを出し続けてほしいと訴えた。