非認知能力をどう育てるか SDGsでの幼児教育の重要性

幼児教育の重要性を議論したパネルディスカッション

幼児教育・保育に「非認知能力」をどのように育てていくか――。文科省、外務省、筑波大学、広島大学が主催する「持続可能な開発目標達成に向けた国際教育協力日本フォーラム」が2月22日、文科省で開かれた。日本と世界各国の教育関係者ら約100人が参加し、SDGsの達成に向けた乳幼児期の教育・保育の重要性を議論した。

パネルディスカッションでは、ESDを取り入れた日本の幼稚園の実践報告や乳幼児の学習支援を専門とする教員養成の在り方について、シンガポールの研究者による発表があった。

ベネッセ教育総合研究所次世代育成研究室長の高岡純子氏は、乳幼児期の生活、教育が小学校入学後に及ぼす影響について、同研究所が実施した縦断調査の結果を基に説明した。高岡氏は、調査で明らかとなった、年少期の生活習慣が年中期の学びに向かう力に結び付き、さらに年長期の文字・数の認知、思考力や小学校入学後の学習態度につながっていくという発達プロセスを示し「小学校生活のスタートでは幼児期の生活や体験が重要になるが、どの順序で何を学ぶかも重要だ」と指摘した。

広島大学附属幼稚園副園長の中邑恵子氏は、ESDの視点から、同園の裏山を遊びや体験の場として活用する「森の幼稚園構想」について報告。中邑氏は「自然の中での保育を通じて、子供たちは味覚や触覚を含めたさまざまな感覚を発達させている。こうした『遊び込み』が学校教育の基盤につながっている」と述べた。

0~3歳児の学びへの支援について語るクリスティン氏

シンガポール幼児教育者学会代表のクリスティン・チェン氏は、0~3歳の子供の発達や学びを支援する教員養成の在り方について発表した。シンガポールでは、保育需要の高まりもあり、専門の乳幼児教員免許による教員養成を実施しているという。クリスティン氏は「まだ言葉も話せず、歩けない子供たちがどのように学んでいるか。大人が子供をよく観察し、気配りや反応をすることが非常に重要になる。こうした学びを支援する教員をどうすれば養成できるのか」と会場に問い掛けた。