特別支援の視点生かす 学習指導・学級経営で報告と講演

「うまくできなくても大丈夫という雰囲気を」と話す奥住秀之教授

2月23日に開かれたシンポジウム「特別支援教育の視点を生かした通常学級の授業づくり・学級づくり」では、教育現場の課題解決に向けた実践報告や講演もあった。

東京都公立小学校の田中博司主幹教諭は「特別支援教育の視点で授業づくり」のテーマで実践報告。通常学級で児童相互のよりよい関係をつくる手だてとして、▽「一人一役活動」 長期間一つの係活動を担当させ、自分の役割を理解しやすくしながら自己有用感を養う▽「ビー玉貯金」 「給食を残さず食べた」など、各自でやり遂げたことがあったら学級のボトルにビー玉を入れ、いっぱいになったらお楽しみ会を開くなどして、学級集団とのつながりを感じさせる――などを紹介。

学びに向かえない子供が授業に参加できるようにする手だてでは、▽45分の授業を「音読」「教科書」「漢字ゲーム」「話し合い」などに細かく分割し、一つでも参加できるようにする▽スタンプラリーや記録表などで意欲を持たせながら、成果が視覚的に分かるようにする▽学級通信や学習計画表で見通しを持たせる――などが有効だと語った。

東京学芸大学総合教育科学系の奥住秀之教授は、通常学級に在籍する発達障害児について研究する立場から「発達障害の理解と学習指導・学級経営」の演題で講演。

発達障害の障害名について、「今後は○○障害という表現は使われなくなる」といい、「国際的な診断基準の改正に伴い、注意欠陥多動性障害は注意欠如・多動症へ、自閉症・広汎性発達障害・アスペルガー症候群は自閉スぺクトラム(ASD)へ、学習障害は限局性学習症(SLD)へと移行していく」と述べた。

学習指導・支援のポイントとしては、「周辺参加」の視点を紹介。「参加できたか、できなかったか」だけではなく、「途中まで参加できた」などといった、特性に応じた多様な参加の仕方を取り入れるよう勧めた。

また、学級経営では「立ち直りの力」を集団の中に育む大切さを強調。失敗することや思い通りに物事が進まないことに弱さのある、発達障害の子供が立ち直るには、「うまくできなくても大丈夫」という雰囲気を学級の中につくり、互いに励まし合う声掛けができるようになることが重要だと語った。