小学校で「ペアレントトレーニング」 戸田市とLITALICO

子供への接し方の工夫を共有する保護者ら

保護者が抱く子育ての「困り感」を教員が支援――。埼玉県戸田市立芦原小学校(藤川英子校長、児童692人)で2月27日、応用行動分析に基づき、親子関係をよくしたり、保護者のストレスを減らしたりする「ペアレントトレーニング」の講座が開かれた。研修を受けた同校の教員がファシリテーターとなり、子育ての悩みや子供との接し方について保護者らと話し合った。

同講座は今年度から始まった、同市教委と、障害者の教育・就労支援サービスを展開するLITALICOとの共同研究の一環。7校で実施しており、「ペアレントトレーニング」を通じて、保護者と学校の信頼関係を構築する狙いがある。

この日の講座は最終回となる3回目。最初に、これまでの講座内容を踏まえ、保護者らが実際に家庭で実践した子供の褒め方や、行動変化を促すための工夫を共有した。

保護者らは「玄関の靴がそろえられなかったので、ドアにそろった状態の写真を貼った」「家に帰るとすぐにゲームするので、帰宅から就寝までのスケジュール表を作り、その通りにできたらスタンプをためるようにした」など、視覚化したり、子供の好きなものを取り入れたりする工夫を報告し合った。

次に「子供への伝え方」をテーマに、効果的な指示の出し方や声掛けのポイントを話し合った。

子供への良くない伝え方を再現した動画を基に、保護者らは「『ちゃんとして』や『いい加減にしなさい』をつい使ってしまう」「選択肢を示してあげた方が良いかもしれない」など、普段の子供との関わり方を振り返っていた。

講座に参加した保護者の池田栄実さんは「『褒めて育てる』と言われるが、具体的にどうすればいいのか分からなかった。受講して、褒める場面はたくさんあることに気付いた。学校は『先生対子供』というイメージだったが、保護者にとっても、さまざまな先生に相談できる場なのだと感じた」と感想を話した。

講師を務めた中村潤子教諭は「講座を通じて、子供が頑張るのではなく、まずは親が頑張るのだと保護者の意識が変わり、子供をしっかりみるようになったと感じる。学校での教員の接し方と、家庭での保護者の接し方を互いにシェアできる場にもなっている」と述べた。

藤川校長は「保護者が子育ての悩みを打ち明けられる場は少ない。教育相談の間口を広げる効果がある。ペアレントトレーニングの考え方は、教師の指導力向上にもつながる」とメリットを強調した。