格差か教科化か プログラミング教育でディスカッション

「掛川城プロジェクションマッピング」について報告する吉川牧人教諭

日本教育情報化振興会(JAPET&CEC)主催の「教育の情報化推進フォーラム」2日目の3月8日、ICTを活用して地域貢献した高校の実践報告や、「プログラミング教育の課題と展望」をテーマに、文科省や教委、研究者が語り合うパネルディスカッションが実施された。

実践報告では、静岡県立掛川西高校の吉川牧人教諭が「掛川城プロジェクションマッピング~高校生×地域貢献×ICT~」をテーマに発表。生徒20人が自主的に集まり「掛川を世界へ宣伝しよう!」を合言葉に、「iPadを使用したプロジェクションマッピングイベント」を発案し、商工会議所や市役所、地元企業に相談しながら実行したといい、「イベント当日は約2千人が来場し、好評だった。ICTの活用が主体的・対話的で深い学びや地域の課題解決につながり、18年度にも発展的に継続された」と語った。

「プログラミング教育の課題と展望」と題したパネルディスカッションには、教員ら約400人が参加。プログラミング教育を巡り、パネリストと参加者が活発に意見を交わした。

「プログラミング教育ではすでに、自治体間や学校間で格差が生じている。平等に展開できるよう、教科化してカリキュラムに位置付ける必要があるのでは」と質問が上がると、大阪電気通信大学工学部電子機械工学科の兼宗進教授は「教科化すると評価しなければならず、『勉強』という感覚を強めてしまう。小学生には楽しみながらプログラミングに親しんでほしい」と応じた。

また、相模原市教委の渡邊茂一指導主事は「評価ではないが、相模原市の現場では各児童に『○○ができるようになったね』とコメントするなど、モチベーションを高めるよう工夫している」と補足した。

プログラミング教育の課題を巡り意見を交わすパネリストら

別の参加者からは「タブレットを導入したところ、PC教室と違い、子供の画面を教員が確認できなくなり、机間巡視でしか把握できなくなった。不適切なアクセスがあっても分かりにくい」と不安の声が出された。

渡邊指導主事は「中学校の技術教員という立場からの個人的な意見だが、子供は授業内容に夢中になればその他のことはしない。セキュリティーよりも学習課題を工夫してみては」と述べ、つくば市教委の中村めぐみ指導主事は「つくば市総合教育研究所のウェブサイトには、これまでの市内公立小学校での取り組み事例を全て掲載している。難航した事例もあるが、それも含めて参考にしてほしい」と語った。

コーディネーターを務めた日本教育情報化振興会の赤堀侃司会長は「カリキュラムの位置付けがない中で学校が動くのは難しいが、プログラミングには『難しくて、何度も失敗するから面白い』という側面がある。先生方も、問題解決は失敗が当たり前だという姿勢で取り組んでほしい」と締めくくった。

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