タブレット導入の苦労語る 小金井市がICT活用で講演

講演する東京都小金井市立前原小学校の松田孝校長

教委職員を主な対象に、東京都小金井市におけるICTを活用した先進的な実践について伝えるセミナーが3月7日、都内であった。主催はNTTコミュニケーションズで、指導主事ら約60人が参加した。講演は双方向で進められ、参加者は実際に同市の学校で導入されているタブレットを通じて、質疑応答や意見交換をした。

同市立前原小学校の松田孝校長は「Edtechレポート 従来の枠組みを変える新しい学びの形」と題して講演。1人1台のタブレット活用によるクラウドコンピューティングで開かれた、教育の新たな展望に触れ、「ICTが学習面だけではなく、生活面でも大いに役立っている」と強調。朝の会で子供たちが「朝ノート」としてタブレットを使い、自由にコメントを書いたりリアクションし合ったりすることで、非構成的グループエンカウンターにつながっている事例を語った。

「ICT導入で教員の負担になっていないか」という参加者の問いには、「朝ノートによって学級は親和的集団になっている。それが、問題行動の減少や、アクティブ・ラーニングの円滑な実施にもつながっている」と回答。「朝ノートのコメントが互いに見られることのデメリットはないのか」との質問には、「不適切なコメントには担任が指導しており、情報モラルを理解させる場になっている」と説明した。

同市教委の平田勇治統括指導主事

同市教委の平田勇治統括指導主事は「ICT整備の取り組み~コスト軽減・先端技術活用~」と題して講演。同市ではタブレットを市立前原小学校で1人に1台、市立南中学校で3人に1台配備という実態がある。「同じ都内でも、区部とは予算規模が大きく異なり、教育ニーズもさまざまで、ICTだけにお金をかけられない現状」とした上で、「先生方は真面目なので、ノートPCを児童が不注意で壊したりすると『今後はきちんと施錠し、勝手に触れないようにします』と言う。自由に使わせ、最大限に活用させたいと考え、安価で壊れにくいタブレットを導入した」と語る。

タブレットでアプリを活用できることの利点を▽提出物や子供の記述がすぐに分析でき、適切なタイミングで寄り添える▽個別学習に対応でき、不登校防止になる▽小学校英語で発音の向上が図れる――と述べ、「タブレットを導入した学校では、さまざまな事務的業務が効率化され、子供一人一人の支援に教員本来の力が発揮できるようになった。教員の役割が変わったと実感した」と締めくくった。