STEM教育学会が拡大研究会 高校生が理論研究で発表

貧困の解決へのSTEAM教育の重要性を説明する高校生

日本STEM教育学会の拡大研究会が3月10日、千葉市美浜区の神田外語大学で開催され、教育関係者ら約50人が参加した。STEAMやプログラミング、ICT教育に関する研究成果の発表があった。高校生によるSTEAM教育の理論的検討やプログラミング教育の導入にあたっての校内研修の実践事例などが報告された。

お茶の水女子大学附属高校2年生の清田奈那さん、前田明優名さんは、世界の貧困問題の根本的な解決策として、STEAM教育の可能性に着目した。清田さんらは、学習者の自己形成にはARTが重要な役割を果たしており、ARTによる自己形成を土台に、課題解決能力を伸ばすことで貧困から脱出するSTEAM教育モデルを提案した。

清田さんは「STEAM教育におけるARTは、ファインアート(芸術)を利用したリベラルアーツ(教養)だ。ARTはICTなどの特別なものを必要とせず、発展途上国でもできる。STEAM教育には汎用(はんよう)性があり、女性問題や人種差別や領土問題、自殺など、さまざまな分野の解決に役立つ」と語った。

岡山県井原市立出部小学校の山部英之校長は、新学習指導要領の実施を踏まえ、同校で初めて取り組んだプログラミングの教員研修について報告。文科省の「プログラミング教育の手引」を基に、ビジュアル系プログラミング言語の「Scratch」を使って、教員が実際にプログラミングに体験した。その後、教員が同校の児童に合ったプログラミング教材を選定し、小学1年生と6年生で公開授業を実施した。山部校長は「校長が率先して、保護者や教員にプログラミング教育の重要性を伝えていくことが重要だ。教員が研修に積極的に参加することも促さなければいけない」と強調した。