資質・能力重視で内容削減 日本AL学会で奈須教授が講演

新指導要領が目指す学習観を語る奈須教授

日本アクティブ・ラーニング学会は3月10日、神田外語大学(千葉市美浜区)で第3回全国大会を開催し、教育関係者ら約150人が参加した。新学習指導要領の改訂に関わった上智大学の奈須正裕教授が新指導要領の「主体的・対話的で深い学び」が目指す学習観について基調講演を行った。同教授は子供の生活経験を生かした教科指導への転換を強調、資質・能力の育成を重視し、教える内容を減らす必要性があると指摘した。

同教授は新指導要領の主体的・対話的で深い学びを実現するためには▽資質・能力育成を目標とした教育方法の刷新▽授業研究を中心とした自律的・創造的な取り組み▽子供の学習と知識に関する事実に基づいた教育方法の構想・実践――の三つのポイントを提示した。

その上で、同教授は有意味学習の重要性を指摘。同教授は「深い学びの反対は浅い学び、すなわち、意味が発生しない学びで、ドリルや丸暗記はその典型だ。学習は子供が持っている知識・経験と関連付かなければならない。子供の断片的な知識を教科の見方・考え方に沿ったフォーマルな知識として洗練させるのが教師の役割だ」と述べた。

また、奈須教授は対話や協働による学びについて「生活経験に依拠した多様な子供の発言を、教師がどう捉えて授業にするか」と会場に問い掛けた。同教授は「子供の知識や経験は偏っていたり誤っていたりするが、それを仲間との対話や協働で出し合い、吟味することで、知識を抽象・一般・普遍にすることができる。そのようにして社会的に構成された知識は中身が詰まっていて、活用可能なものだ」と強調した。

一方、新指導要領で内容や字数を削減せずに外国語やプログラミングを増やしたことで、「カリキュラム・オーバーロード」に陥っているとも指摘。「資質・能力が身に付き、自在に駆使できれば内容の部分は忘れてもいい。今後は、コンピテンシーに基づいたカリキュラム研究を進め、教科で教える内容の削減を検討していくことが不可欠になるのではないか」と問題提起した。