仙台市いじめ防止条例可決 相次ぐ子供の自殺や心中受け

仙台市議会議事堂(仙台市議会HPより)

仙台市議会は3月12日の定例会本会議で、郡和子市長から提出された「市いじめ防止条例案」を原案通り可決した。学校、市教委、市、保護者、住民の責務を明記した。施行は4月1日。

条例は9章、55条で構成。学校と教職員の責務として「学校全体でいじめの防止、早期発見に取り組む。(いじめに)適切かつ迅速に対処する」と定め、▽いじめ防止のための道徳教育や情報モラル教育▽発達に特性があるなど、配慮が必要な児童・生徒へのいじめを防ぐ組織的な対応▽重大事態発生時の対応――を盛り込んだ。

学校の義務として新たに、各校がいじめ防止対策推進法に基づき「いじめ防止基本方針」を策定する際、児童生徒からの意見聴取をすることとした。保護者、地域に対しては、地域の交流が子供の自己有用感を高めるとして、「保護者は地域の活動や行事に参加させるよう努める」「住民は児童生徒との交流に努める」と規定した。

市や市教委のいじめ防止対策は、新たに常設する「市いじめ防止等対策検証会議」が毎年度点検する。

市や市教委の担当者、教職員らを対象にした罰則は設けず、努力義務とした。議員からは「不十分」との声も上がり、「必要に応じて見直しをするべき」として、同日、条例に意見を付け加える「付帯決議」を採択し、条例の施行後も実効性を検証していくよう郡市長に求めた。

郡市長は「付帯決議を真摯(しんし)に受け止めさせていただきたい。いじめ防止条例が完成形、最終ラインだとは思っていない。ここからが仙台のいじめ対策のリスタートだ」と語った。

同市では2014年以降、中学校の生徒3人が相次いでいじめを苦に自殺。郡市長は17年市長選でいじめ対策を最重点公約に据え、条例制定の必要性を訴えていた。18年11月には、市立小学校2年生の娘へのいじめを苦にした母親が親子で無理心中したとみられる事件が発生。市は遺族と学校の認識にずれがあることを問題視し、急きょ条例の最終調整を実施して、いじめの被害者側と加害者側の子供・保護者の共通の理解の下で学校が対応を進めるよう加えた。