願書出し忘れで教諭2人を懲戒 同様の事例では賠償命令も

兵庫県庁3号館(県HPより)

神戸市にある兵庫県立高校で生徒4人の出願書類を期限までに提出し忘れ、全員受験できなくなるというミスがあり、県教委は3月13日、同校の進路指導部長の教諭(56)と同部の教諭(64)の2人を戒告の懲戒処分にしたと発表した。進路指導部長がチェック表などで願書提出の管理をし、同部の教諭が郵送することになっていた。県教委は「生徒の人生を左右しかねない重大なミス」とし、「過去の事例などを参考に処分を決定した」としている。

県教委によると、生徒4人が希望していたのは、2018年11月に実施された兵庫県立大の推薦入試。願書提出期限の11月12日までに学校で取りまとめて提出することになっており、生徒4人は校内の締め切りを守って学校に願書を提出した。

11月上旬、部長が20年度の出願業務について他の教員と会話していたのを聞き、近くにいた同部の教諭は部長が生徒4人の願書を郵送したと勘違いしたという。願書の提出期限の12日、同部の教諭がチェック表に郵送の確認印がないことに気付き、保管していたロッカーを確認したところ願書が残っているのを見つけ、期限が「必着」なのか「消印有効」なのかを確認せず郵送した。翌13日、「12日午後4時必着」と分かり、校長が同学に事情を説明したが、同学は受理しなかった。

同学の担当者は教育新聞の取材に対し、受理しなかった理由について「受験生に落ち度はないが、公平性の観点から受理できなかった」としている。

同校は生徒や保護者に謝罪。4人とも同学が第1志望で、同校は4人に特別補習をした。県教委高校教育課の担当者は「今後、生徒をしっかりとケアしていくとともに、このようなことがないよう、再発防止を徹底したい」としている。

同様の事例では3月1日、埼玉県高校の元生徒が、担任が推薦入試の出願書類を出し忘れて専門学校を受験できなかったとして、県に損害賠償を求めた訴訟の判決があり、さいたま地裁(大槻友紀裁判官)は県に50万円の支払いを命じた。

判決などによると、元生徒は3年生だった2017年、看護の専門学校の推薦入試を受ける出願書類を担任の教諭に提出したが、担任は提出を忘れた。元生徒の母親は担任から「書類に不備があり、受理されなかった」という説明を受けたが、専門学校に問い合わせて発覚した。元生徒は一般入試でこの専門学校に進学した。