私学教員らが厚労省で会見 学校への行政指導を公表

記者会見する京華商業高校の有期専任教員

非正規雇用の30代の教員2人が京華商業高校(東京都文京区、萩庭悟校長)に対し、雇い止めや長時間労働、残業代不払いなどの改善を求めている問題で、教員2人と労働組合「私学教員ユニオン」は3月22日、厚労省で会見を開き、労働基準監督署から同校に行政指導があったことを明らかにした。

教員2人は同校の教諭だが、1年ごとに契約を更新する非正規教員で、2019年3月末での雇い止めが決定している。2人によれば、求人票には「2年目以降、専任教諭への登用を前提とする」とあり、専任教諭になれると期待していたが、18年9月、理由などについて具体的な説明がないまま、1人は3年目、1人は2年目で雇い止めを通告されたという。

2人は私学教員ユニオンに加入し、19年1月から学校側に▽不当な雇い止め▽長時間労働▽残業代不払い――などの改善を求めてストライキや団体交渉を実施してきたが、「誠実な対応がない」として、1月21日、労働基準監督署に通報した。

同署は2月19日、学校側に対して▽労働時間を客観的に把握すること▽全労働者の過去の労働時間を洗い出して実態調査をすること▽休憩施設を設置するなどして、45~60分の休憩をしっかり取れる労働環境を整備すること――と行政指導した。しかし、「学校側に改善がみられない」として行政指導の公表に踏み切った。

2人はどちらも学級担任を務め、1人は男女バレーボール部とダンス部の顧問を、もう1人は水泳部、柔道部、手話同好会の顧問を兼ねる。2人の残業時間は月50~60時間以上に及び、夜まで残ることが多いのに残業手当はないという。

2人はそれぞれ、「生徒のために残ることは苦にならないが、対価を払ってほしい。押印では時間は記録されず、部活動指導を終えて退勤する午後8時ごろには、管理職はすでに退勤していて目視できていないなど、労務管理が不十分だ」「担任している学年の9割に当たる約150人の生徒が私たちの雇い止めに反対して署名を提出し、保護者も『19年度も担任してほしい』と言ってくれた。生徒や保護者の気持ちに応えたい」と語った。

学校側は教育新聞の取材に、「行政指導を真摯(しんし)に受け止めている。勤務時間については、これまで出勤簿への押印や管理職による目視で管理してきた経緯があり、方法を同署と共に模索している」と語った。