遠隔授業で特例校を創設「SINET」を小中高に開放

文科省が掲げた遠隔授業の政策目標

文科省は3月29日、昨年11月に発表された「柴山・学びの革新プラン」に基づき、学校現場のICT化を進めるための具体策を示した「新時代の学びを支える先端技術活用推進方策」の中間まとめを公表した。2023年度までに遠隔教育を実施したいができない学校を0にする政策目標を掲げ、中学校で遠隔授業特例校を創設する。日本全国の大学や研究機関をつないだ高速通信インフラ「SINET」を小・中・高校に開放し、通信環境も改善する。

中間まとめによると、▽遠隔教育による先進的な教育の推進▽教師・学習者を支援する先端技術の効果的な活用▽先端技術の活用のための環境整備――を方策の三つの柱と位置付け、遠隔教育の実施に向けた学校のICT化を進める。

文科省が自治体に調査したところ、遠隔教育を実施したいがノウハウやコストの問題から実施できていない都道府県・市町村は25.1%(454自治体)あることが分かった。

これを受け、同省はこうした学校の割合を23年度までに0%にする目標を策定。目標達成に向け、学校に対して関係機関・団体が遠隔教育の指導面・技術面のアドバイスや接続先のマッチングをするプラットホームをつくる。

また、19年度から中学校において「遠隔教育特例校制度」を創設。特例校では、例えば英語やプログラミングなどで遠隔授業を実施し、受信側で免許を持たない教員が授業を担当できるようにする。現在、茨城県と長崎県の数校で特例校制度を活用した遠隔授業を予定している。

遠隔授業を実施する上で課題となっている学校の脆弱(ぜいじゃく)な通信環境を改善するため、国立情報学研究所が運用し、全国の大学や公的研究機関の間で100Gbpsの通信が可能な「SINET」について、希望する初等中等教育機関が利用できるようにする。これによって、動画などの大容量なデータ通信が可能となり、通信の遅延や遮断を防げるだけでなく、セキュリティー上でもメリットがある。さらに、大学の教員が高校の「理数探究」の授業を支援するなど、地理的な空間を超えた初等中等教育と高等教育の相互交流が活性化することも期待される。

同省では方策のさらなる具体化を進め、6月に最終まとめを公表する。