いじめ防止法で座長試案示す 教員への懲戒は見送り

いじめ防止対策推進法の改正に向けて議論を進めている、超党派の議員による勉強会(座長・馳浩元文科相)は4月10日、都内で会合を開き、同法改正案の座長試案を示した。いじめの重大事態の調査委員会には、利害関係のない人を2人以上入れなければならないと明記。一方で、教員に対する懲戒や、学校へのいじめ対策主任の設置を盛り込むのは見送った。

いじめ防止対策推進法の試案を示した馳座長

同試案には、校長のいじめ防止対策の責任を明記。学校が定めるいじめ防止基本計画の公表や、児童生徒、保護者への周知、学校が行った対処の記録保持を新たに規定した。

一方で、条文案の検討段階で盛り込まれていた、学校のいじめ対策委員会や、いじめ対策主任の設置は見送られた。また、いじめに適切に対処できなかった教員に対する、懲戒規定も削除された。

重大事態への対処を巡っては、調査委員会でのいじめ被害を受けた児童生徒と保護者の意見陳述権を明示し、調査委員会が加害者側や傍観者にも意見聴取できることを規定した。また、調査委員会の構成員には、利害関係のない人を2人以上含めることも示した。

一方で、調査委員会について、教育委員会や学校が設置する場合と、自治体の首長が設置する場合を選べるようにした条文案は盛り込まなかった。

これについて議員から「調査委員会を選択制にしなければ、初動調査は教育委員会がやることになり、被害者側の意向が反映されない懸念がある」とする意見が出たため、再検討していく方針が示された。

馳座長は「教員への懲戒権は、学校現場への威圧と受け取られかねないので削除した。いじめ対策主任などを法律で規定すれば、予算措置の議論も必要になる。自治体や現場の実情も踏まえながら、実効性のあるものにしていかなければならない」と述べた。