コーチングとEdTech オランダなどの先進例を報告

グローバルエデュケーション研究会と明治大学サービス創新研究所の共催による「教育先進国に学ぶ『教育×コーチング×EdTech』」と題したワークショップが4月14日、都内であり、海外視察の報告やディスカッションが行われた。

1対1のコーチングを体験する教員ら

報告者として登壇した東京学芸大学大学院AI研究室の長澤瑞木さんは、オランダ、フィンランド、エストニア、米国、カナダなど多数の国々を視察した成果を報告。長澤さんは北海道教育大学在学中に、今後の日本における学びの大転換のモデルとして海外動向を視察したいと考え、クラウドファンディングで約410万円の資金を集めたという。

特に関心を抱いたのはオランダのコーチング型教育だとして、「ティーチングは『教え育てる』が基本だが、コーチングは『引き出して伸ばす』という考え方。対話を通じて相手の可能性や自発的な行動を引き出し、目標の実現を支援する」と説明。

オランダには▽イエナ・プラン▽多重知性教育▽モンテッソーリ教育――など多種多様な教育手法があるが、その全てに共通する基盤がコーチングだと語った。

かつてはオランダもティーチング中心だったといい、「その転換に向けて、まず教員養成のシステムを変革した点が画期的だと言える」と指摘。

重視しているのは「理論と実践の往還」だとして、理論を大学で学びながら、実践として教育実習を1年生から毎週実施し、それを大学教員がコーチングで結び付けて、教員を目指す動機や理念を省察させると述べた。

海外視察の報告をする東京学芸大学大学院AI研究室の長澤瑞木さん

また、エストニアについて「学校のインターネット環境やテクノロジーの発達は、世界最先端だ」とした上で、「AIやブロックチェーン技術を教育でも大いに活用している。同国をモデルの一つとして、東京学芸大学は2019年4月、『教育インキュベーションセンター』を開設し、教育系大学としては日本で初めて産業界との協働で運営するシステムとした」と述べ、「教員養成系として、組織の抜本的な改革や整備が期待されている」と語った。

「コーチングタイム」では、参加教員らが「相手のための質問をする」「否定しない」などのルールで1対1のコーチングを体験。終了後、都内の公立小学校教諭は勤務校でコーチングを実施していると発表し、「学校での実施は大変だというイメージがあるが、保護者や外部講師など多くの大人が入ることで、言語化が習慣として根付き、子供の主体性を育むことができる」と語った。