部活動の過度な練習が要因 名古屋の生徒自死で報告書

名古屋市名東区で2018年1月、中学1年生の女子生徒が集合住宅から飛び降りて自死した問題で、同市教育委員会は4月15日、第三者委員会「名古屋市いじめ対策検討会議」の報告書を公表した。報告書では、いじめ行為があったことは認められず、冬休み中の部活動の合宿で過度な練習に参加したことが自死の要因だったと結論付けた。遺族側は「調査は不十分」だとして、河村たかし市長に再調査を求める方針。

報告書によると、女子生徒は17年9月に転入し、11月にソフトテニス部に入部した。当時のソフトテニス部は練習時間が長く、休みもほとんどなかった。生徒は初心者で途中入部だったため、周囲のレベルに追いつこうと努力した一方、上下関係の厳しさや気の合わない部員の存在もあり、肉体的・精神的な疲労が蓄積。さらに正月休みが明けて合宿での長時間練習に不安を募らせながらも、休みたいと言い出すことができず、当日の朝、家を出たまま行き場を失い、自死に至った。

いじめの有無については、学級とソフトテニス部の双方で、生徒が心身の苦痛を感じるいじめ行為があったとまでは認められない、とした。

学校の部活動運営については、問題点を厳しく指摘した。報告書によると、当時、生徒がいた中学校では部活動の練習時間や休みに関する規定がなく、保護者からも練習時間が長く休みがないなどと指摘を受けていたが、改善されていなかった。合宿は学校の部活動として認めていなかったが、私的クラブチームを作るなどして顧問が部員を引率する実態があり、それを知りながらも学校として止めることができなかった。

また、遺族が当初からいじめ防止対策推進法の重大事態として扱うようも求めたのに対し、教育委員会が重大事態として取り扱うまでに1カ月以上かかったことについて、教育員会の対応の遅さを批判した。

今後の改善策として、報告書は、教育委員会や学校に対し、適切な部活動の運営・管理を実施するよう求めた。具体的には(1)教育委員会は部活動が適切に運営されているかモニタリングを行う(2)学校は生徒や保護者の意見を真摯(しんし)に受け止め、部活動により心身の不調をきたす生徒がでないよう適切な運営を行う(3)転入生の受け入れにあたり、担任への支援に配慮し、学校全体で転入生を見守るよう、職員室に転入生の写真を貼るなどして教員が転入生の名前と顔がわかるようにする――などを挙げた。