全国学力調査 英語を初実施、「話すこと」はパソコンで

小学6年と中学3年を対象とした「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)が4月18日行われ、国公私立学校の小中学生計約212万人が参加した。今年は中3に英語を初めて導入し、パソコンの活用によって「話すこと」を含めた4技能を調べた。国語と算数・数学は基礎知識と活用力を別々に出題した従来の形式を改め、新学習指導要領の趣旨を踏まえ、両者を一体化して出題する新形式を採用した。調査結果は7月に公表する。
全国学力調査で初実施された英語の「話すこと」について、パソコンの前でヘッドセットをつけ、説明を受ける生徒たち(都内の中学校)
全国学力調査の実施は、東日本大震災の影響で事実上見送られた2011年度を除き、今回で12回目となる。参加したのは、小学校1万9496校の約107万6千人、中学校1万22校の約104万5千人。国公立校は全校が参加し、私立校の参加率は小学校54.0%、中学校48.9%だった。 初めて実施された英語では、「聞くこと」「読むこと」「話すこと」「書くこと」の4技能すべてを対象とした。このうち「話すこと」については、各学校のコンピューター教室のPC端末とヘッドセットを使った音声録音方式を採用。ICT環境が十分に整備されていない学校については、学校単位で「話すこと」調査の実施を見送ることも可能とした。 このため、英語の結果は「聞くこと」「読むこと」「書くこと」の合計を集計し、「話すこと」の結果は参考値として公表する。文科省では、「各自治体や学校が整備したICT環境を活用し、本格的な調査をこれほどの規模感で実施することは、各学校にとっても文科省にとっても初めての経験」(総合教育政策局調査企画課)と説明している。 国語と算数・数学では、新学習指導要領が「知識・技能」と「思考力・判断力・表現力」は相互に関連しながら育成されると打ち出したことを踏まえ、基礎知識と活用力を一体的に問う出題形式に変更した。 例えば、小学6年の算数では、遊園地での待ち時間という児童生徒の日常生活を絡めた問題を設定し、「何分後に乗り物券を買う順番がくるか」を問うことによって、児童が場面によって変わる数量を見いだして数学的に表現・処理を行い、判断することができるかをみる出題を行った。 中学3年の国語では、全国中学生新聞という架空の新聞で、記事や短歌投稿欄を読むことを設定。記事の読解力を問う設問を通じて、情報を整理して内容を捉えることができるかどうかをみたり、投稿された短歌から一首を選んで感想を書くという設問によって、文章に表れているものの見方や考え方について自分の考えを持っているかどうかを問いかけたりした。 基礎知識と活用力を別々の設問でみていた従来の全国学力調査に比べ、両者を一体的に問う出題形式に変更したことで、難易度が上がったのではないか、との見方もある。問題を作成した国立教育政策研究所では「今回の問題は、現行の学習指導要領の下で、小学5年と中学2年までに学習している内容から作成しており、難易度に変化はない。児童生徒には、全問できてほしい内容だ」と説明している。 また、過去の全国学力調査で正答率が低いなどの課題が指摘された問題について、同じ基礎知識や活用力を調べる問題が今回の調査にも盛り込まれ、国語と算数・数学の計54問のうち24問を占めた。文科省では、こうした問題の正答率を過去の調査結果と比較することで、学力の改善状況を検証する考えだ。