いじめ防止法の座長試案に 大津市と遺族らが反対を表明

滋賀県大津市と、いじめ事件の遺族・被害者家族らの有志は4月19日、いじめ防止対策推進法の改正案を議論している、超党派の国会議員による勉強会(座長・馳浩元文科相)が示した座長案に反対する意見書を、馳座長らに提出した。同日に文科省で開かれた記者会見で遺族らは、多くの条文案が削除された座長試案は後退したとし、「期待が大きな失望に変わった」と強く非難した。

記者会見で座長試案の大幅な見直しを求める遺族・被害者家族ら

意見書では、昨年末に勉強会が示した条文案イメージで盛り込まれた重要事項の多くが、座長試案で削除されていると指摘し、条文案イメージをベースとした法改正を求めた。

特に、学校が策定するいじめ防止対策基本方針は、多くの学校で形骸化しており、それによっていじめの重大事態を招いてしまっているとし、基本方針の策定を学校に義務付け、学校が取り組むべき具体的内容を明示した条文案イメージを削除しないよう要望した。

遺族らは「条文案イメージに賛同していたが、小、中、高校の校長会のヒアリングを受けて座長試案は大きく削られてしまった。条文案イメージで本当に教師は萎縮するのか、現場の負担は増えるのか。子供の命を守るための法律なのに、教育委員会や学校の都合を優先させている」と強く批判した。

また、教員の懲戒処分については「現状では、担任や部活動顧問に全ての責任を押し付けてしまっている。管理職の責任を問うべきだ」と指摘した。

大津市の越直美市長は意見書の提出に合わせ、「4月に示された座長試案では、12月の案(条文案イメージ)と比較し、多くの条文が削除されている。大津市のいじめ自死事件の反省とその後の取り組みを生かし、いじめで苦しむ子供がなくなるよう、主として12月の案に戻すよう要望する」とのコメントを発表した。