地歴・公民の新科目で要望書 民間教育団体が教科書に

高校の新学習指導要領で新たな科目構成となる地理歴史科、公民科の教科書について、民間の教育研究団体の代表者らが4月23日、文科省で記者会見を開き、新学習指導要領の問題点や、それを踏まえた教科書編集に警鐘を鳴らす要望書を、高校の地理歴史科、公民科の教科書を発行する出版社に提出したと発表した。

地歴公民の内容に懸念を表明する研究団体のメンバーら

地理教育研究会、歴史教育者協議会、東京歴史科学研究会、全国民主主義教育研究会、子どもと教科書全国ネットが連名で提出した。

「地理総合」については、地図や地理情報システムの利用が強調されているが、デジタル教材などを充実させなければ、紙の教材だけでは学習が難しいと指摘。さまざまな場面で地理情報や地図が利用されていることを、体験的に学べる機会が必要だとした。

「歴史総合」に関しては、「近代化」「大衆化」「グローバル化」という特定の概念で近現代史を捉えようとしており、これらの概念で説明できない歴史的事象や地域を見落とす恐れがあると危惧。

「公共」では、日本国憲法の基本原理についての、学習の位置付けが明確ではないと批判した。

また、各学校で問題解決学習を展開する上では、生徒にとって身近な学校の問題などを題材として取り上げるべきだと提言した。

子どもと教科書全国ネット21の鈴木敏夫事務局長は「授業に一番影響を与えるのは教科書だ。教科書に私たちの懸念を反映してもらい、実際の授業で生かしてほしい」と述べた。